第16話 潜入作戦の前夜

群馬の夜、冷え切った空気がビル街を包み込む中、香織、涼介、そして芹沢孝次郎の3人は、翌日の潜入作戦に向けて最後の打ち合わせをしていた。ホテルの一室に集まった彼らは、テーブルに広げた資料を前にして真剣な表情を浮かべている。


「香織、もう一回確認するけど……本当にこれでいくんだよな?」

涼介が腕を組みながら、不安そうな表情で香織を見つめる。


「ええ、これ以上リスクを減らす方法はないわ。相手の動きを封じるには、私たちが先に動くしかない。」

香織は冷静に言い切り、手元のメモ帳にペンを走らせた。


「でもさ、直接行くのは危険すぎないか?万が一、あいつらがこっちに気づいてたら……俺たち、逃げ場ないぞ。」

涼介が強調するように声を上げると、芹沢が静かに口を開いた。


「その可能性は十分に考えられます。しかし、私たちがここで立ち止まれば、相手にさらに時間を与えることになります。」

彼は落ち着いた表情で涼介に視線を向けた。


「……そうなんだけどさ。」

涼介は眉をひそめたまま、納得しきれない様子だ。


「涼介、あなたが心配してくれるのはありがたいけど、これが私たちの仕事よ。」

香織は少し微笑みながら、優しく涼介に言った。


「うーん……わかったよ。でも、何かあったらすぐに俺を呼べよな!」

涼介が溜息混じりにそう言うと、香織と芹沢が微笑みを交わした。


香織が資料を指差しながら話を続ける。

「明日、私がターゲットである役員に接触する。そのイベントは比較的オープンな場だから、私が話しかけても怪しまれる可能性は低いわ。」


「でも、ただ話しかけるだけじゃ証拠にはならないよな?」

涼介が口を挟む。


「もちろんよ。彼の端末に取引記録が残っているはずだから、それをコピーするのが目的。」

香織が自信ありげに答えると、芹沢が補足した。


「コピーする際には、この端末を使ってください。」

芹沢は小型のUSBドライブを取り出し、香織に手渡した。


「これを差し込めば、必要なデータを数秒でコピーできます。ただし、相手に気づかれないように慎重に行動してください。」


「数秒でできるって言われても、そんな簡単に近づけるものなのか?」

涼介が心配そうに尋ねる。


「それが問題よね。でも、私は彼が話し好きだと聞いているわ。少し誘導すれば、注意を逸らすのは可能だと思う。」

香織は自信を見せながら答えた。


「で、その間、俺たちはどうする?」

涼介が尋ねる。


「涼介、あなたは私たちのバックアップ。もし私が何かに巻き込まれた場合、すぐに動けるように近くで待機していて。」

香織がしっかりと目を見て頼むと、涼介は真剣な表情で頷いた。


「了解。任せとけ。」


「芹沢さんは?」

涼介が隣にいる芹沢を振り返ると、彼は少し微笑みながら答えた。


「私は全体を監視し、あなたたちがトラブルに巻き込まれないよう、別の視点からサポートします。現場の出入り口や、相手が怪しい動きをしないかをチェックしましょう。」


「なるほど……みんなで役割分担ってわけか。」

涼介は納得したように頷いた。


打ち合わせを終えた後、部屋にはしばしの沈黙が訪れた。外からは冬の風が窓を揺らす音が聞こえ、遠くで車が通り過ぎるエンジン音が響く。


「涼介、大丈夫?」

香織が静かに声をかける。


「……大丈夫、って言いたいけど、正直言うとめちゃくちゃ怖い。」

涼介は苦笑しながら肩をすくめた。


「でも、こういうことが探偵の仕事なんだろ?だったら俺もやるしかない。」

涼介の言葉に、香織は小さく微笑んだ。


「ありがとう、涼介。でも、無理はしないでね。私たちにはあなたが必要だから。」


「……それ、なんかずるいよな。そう言われたらやるしかなくなるじゃん。」

涼介は照れ臭そうに頭を掻いた。


「それでいいのよ。」

香織は穏やかな声で言った。


部屋の片隅で静かに様子を見ていた芹沢は、二人のやり取りに微笑みを浮かべながらも、どこか考え込んでいるような表情をしていた。


「芹沢さん、何か気になることでも?」

香織が問いかけると、彼は静かに首を振った。


「いえ。ただ、こういう緊張感の中で、お二人のように支え合える関係は貴重だと思っただけです。」


「……支え合う、か。」

涼介が少し照れくさそうに呟いた。


「だからこそ、明日の作戦も成功させなければなりません。」

芹沢の言葉に、香織と涼介は深く頷いた。


次の選択肢

1.香織が役員に直接接触し、データを抜き取る作戦を決行する

•リスクを承知で、計画通りに動き、証拠を手に入れる。

2.計画を変更し、事前に役員の周囲を調査してから動く

•一旦リスクを抑え、慎重に情報収集を行ってから接触を試みる。


応援コメントへの選択番号記載依頼


投票締切:明日7時まで!

香織たちが次に進むべき行動を選んでください!選択肢番号をコメントでお知らせください。物語を動かすのはあなたの選択です!


作者から読者へのメッセージ


いよいよ核心に迫るための作戦が動き出します。K商会の裏に潜む巨大な闇を暴くため、香織たちはリスクを背負って行動を開始しますが、選択を間違えれば命の危険さえあります。


読者の皆さんの選択が、香織たちの運命を大きく左右します。慎重な一歩を選ぶか、果敢に挑むか――あなたの推理力で導いてください!次回も緊迫の展開をお楽しみに!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る