第13話 コンテナへの接近
夜が訪れ、博多港は昼間の喧騒から一転、静寂に包まれていた。港湾エリアの照明がぼんやりと広がり、コンテナの影が重なり合う中、香織と涼介は静かに歩を進めていた。冷たい夜風が吹き抜け、海から漂う潮の香りが二人の鼻をかすめる。
「……こんなところで夜中に動くの、正直心臓に悪いよな。」
涼介が小声で呟いた。
「静かだからこそチャンスよ。昼間は人目が多すぎて動けなかったけど、今なら慎重に動けば誰にも気づかれない。」
香織は前を向いたまま、涼介の不安げな声に答えた。
「いや、それはわかるけどさ……ほら、こういう時に限って見張りがいたりするもんだろ?」
涼介は辺りをキョロキョロと見回しながら続ける。
「だからこそ、あなたにはしっかりと周囲を警戒してほしいの。」
香織は少し笑みを浮かべながら振り返った。
「了解、助手の仕事ってやつだな。」
涼介は軽く肩をすくめながら、周囲を見渡す。
二人が向かうのは、港の奥にある巨大なコンテナ置き場だった。積み重なったコンテナが迷路のように広がり、暗闇の中にわずかに浮かび上がる。セントラル・スター号から降ろされたばかりのコンテナ群は、番号ごとに整然と並べられている。
「この辺りよ。“特別扱い”のコンテナはこの列にあるはず。」
香織が手に持っていたメモを確認しながら言う。
「しかし、こんなにたくさんのコンテナがあったら目当ての一つを探すのも大変だな。」
涼介がため息をつく。
「それがわかるように番号が振られているのよ。このリストを使えば特定できるはず。」
香織は冷静にコンテナの番号を一つ一つ確認し始めた。
「これだ!」
香織が指差したのは、奥まった場所にある赤いコンテナだった。番号は記録に記載されていたものと一致している。
「本当にこの中に密輸品が入ってるのか……?」
涼介はコンテナを見上げながら呟いた。
「それを確かめるためにここに来たのよ。」
香織がバッグから工具を取り出し、錠前を確認する。
「香織、それやるなら急いだ方がいいぞ。誰かに見られたらアウトだ。」
涼介が周囲を警戒しながら声をかける。
「わかってる。時間をかけるつもりはないわ。」
香織は真剣な表情で錠前に手をかけ、慎重に作業を進めた。
錠前が外れる音が響き、香織は静かにコンテナの扉を開けた。内部には複数の木箱が整然と並べられている。その一つ一つが慎重に梱包され、ラベルには「美術品」と書かれているが、その字体にはどこか不自然さが漂っていた。
「本当に美術品なのか?」
涼介が木箱の一つに近づき、そっと手を伸ばす。
「それを確かめるわ。」
香織も別の木箱を調べ始めた。そしてナイフを使い、慎重に梱包を切り裂くと、中から出てきたのは……。
「これ……絵画?いや……違う……。」
香織が取り出したのは、見た目は古い絵画だが、その裏面には何かを隠しているような細工が施されていた。
「まさか、これに何かが隠されてるのか?」
涼介が驚きの声を上げる。
「ええ、間違いない。この絵画の裏に密輸品が隠されているわ。」
香織が手際よく裏面を調べ始めると、小さな収納スペースから袋が出てきた。その袋には粉末状の物体が入っている。
「……薬物だ。」
香織が低い声で断言する。
「やっぱり……。美術品をカモフラージュにしてたんだな。」
涼介が木箱の中をさらに確認すると、他の絵画や彫刻にも同じような細工がされていることに気づく。
「これだけの量を運ぶには、組織全体が動いているはず。K商会がどれだけ深く関わっているのか、調べる必要があるわ。」
香織が冷静に言う。
その時、遠くから足音が響いてきた。コンテナの間を歩く複数人の気配が近づいてくる。
「やばい、誰か来る!」
涼介が小声で警告する。
「ここで見つかるわけにはいかない。急いで隠れるわよ。」
香織は扉を静かに閉め、涼介とともにコンテナの影に身を潜めた。
足音が近づく中、二人は息を殺して動きを止めた。暗闇の中で人影がコンテナを確認しているのが見える。
「特別扱いのコンテナだ。問題ないな。」
低い声が響き、すぐに足音は遠ざかっていった。
涼介は大きく息を吐き出し、額の汗を拭った。
「助かった……マジで心臓が止まるかと思った。」
「危なかったけど、情報は得られたわ。これを基に次の一手を考えましょう。」
香織はバッグの中に証拠品をしまい込み、涼介を促してその場を後にした。
次の選択肢
1.K商会の背後にいる人物を特定するために、更なる聞き込みを行う
•港湾関係者やK商会の関係者を探り、密輸組織のリーダーに迫る。
2.警察や他の機関に証拠を持ち込み、密輸組織の摘発を依頼する
•証拠を基に外部の力を借り、組織全体を追い詰める計画を立てる。
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投票締切:明日7時まで!
香織と涼介が次に取るべき行動を選んでください!選択肢番号をコメントでお知らせください。あなたの選択が事件解決への道を決定します!
作者から読者へのメッセージ
遂に見つかった密輸品の証拠。美術品をカモフラージュにした巧妙な手口が明らかになりましたが、これで事件が終わりではありません。K商会の背後にいる人物や、密輸ルート全体を解明するにはまだ多くの謎が残されています。
次に進むべき道を決めるのは、あなたの選択です。香織と涼介を導いてください!
真実への扉が開かれるその瞬間をお楽しみに!
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