第8話 コラム(魔術大全・単位について)

 <魔法弾>

 作中記載のとおり、魔術師が基本で習得する呪文の一つ。

 詠唱者の魔力に応じて威力が高くなること、詠唱節が短いこと、魔力負担が軽いこと、物理的障害に阻害されないことなどから、広汎に用いられる。

 <マナ・ボルト><マジック・ミサイル>などとも呼ばれ、基本的には必中である。


 <聖別>

 司祭の祈りの一つ。

 武器や防具に神聖な力を宿すことにより、死霊・悪霊などの非物理的存在に対して対抗しうるようにすることを目的とする。

 もちろん死人返り(いわゆるゾンビ)や不死者(吸血鬼)などにも有効である。

 武具の装着者の精神的強靭さや司祭の信仰する神との相性などによっても効果が変動する。


 <魔力付与>

 魔術師の基本的な呪文の一つ。

 聖別と同様に、非物理的な存在(精霊など)や通常物理攻撃に抵抗力の高い存在(魔獣など)に対して対抗しうるようにすることを目的とする。

 効果にブレが少なく安定していることから、この種の呪文に対する信頼度は高い。


 <千里眼>

 離れた任意の位置に視点を持っていき、偵察できる能力。

 術者の能力いかんでは物理的障害に阻害されないこともあり、事前偵察で威力を発揮する。

 作中ではリョーマとディオノスが千里眼を用いているが、実はディオノスの方が適正は高い。

 リョーマの視程は約300m、ディオノスの視程は約500mほどである。

 リョーマの魔力容量が大きいため、普段はリョーマが使うことが多い。


 <敵意感知>

 描写がないが、魔術師版と精霊使い版の二通りある。

 魔術師は呪文によって魔力を行使し、精霊使いは精霊に頼むことで情報を得る。

 範囲感知魔術のため、宿営前の周囲偵察、突入前の敵戦力把握で威力を発揮する。


 <治癒の祈り>

 司祭の祈りの一つ。

 大いなる慈母のような人に対して優しい神ほど効果が高い傾向にある。

 グインは戦神の司祭なので、その加護の効果は応急処置のそれに近い。

 傷を癒やすもののほか、解毒や病気を治癒する効果をもつ祈りもある。


 <爆炎魔法>

 中堅以上の魔術師でなければ習得できない難易度の高い魔術。

 瞬間的に炸裂する高温の爆炎を生み出し、範囲内を攻撃する。

 魔力付与や物理的障害、精霊の守りなどで軽減できるが、元の威力が高いため危険度は高い。


 <死人『帰』り>

 死人返りを作るための秘法。

 当然ながら邪法で、魔術師ギルドでも禁忌の呪文とされている。

 ごく一部の魔術師が研究のために厳正な選考を受けて習得を許される。

 それでもこの手の呪文に魅せられる者は後を絶たず、特に「不死」に憧れる術師は強い執着を示す。

 下野して死霊術を使うようになった者は、基本的に賞金を掛けられることになる。

「真なる不死者」への入り口となる呪文でもある。



 <ライガノルド編における単位等について>

 度量衡については、便宜的に現代地球上でのものを用いている。

 1日の時間は12刻、つまり一刻=2時間に分けられており、日の出と日没によって変動する。

 一部の都市では水時計や古代(発掘品)の機械式時計が設置されており、もっと精密に区分する。

 貨幣の換算は10進数を採用しており、金貨1枚=銀貨10枚=銅貨100枚である。(白金貨のみ白金貨1=金貨5枚。鋳造数は極少数。)

 1日安宿に泊まった場合の宿泊費は銅貨で5枚程度である。(食費込み、ただし一定以上に飲み食いする場合は別途料金が必要)

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