嘘つきレイラ

織部

　彼女とは、ずっと一緒にいた。

　まるで、一つの卵から生まれたように。

　でも、二人の間に、血の繋がりは無い。

　俺は、リドリー。母は、彼女の母親のメイドをしていた。だが、産後の日立ちが悪く、死んだ。そして、彼女の母親に、彼女と一緒に育てられた。父親は知らない。

　彼女の名は、レイラ。この王国の第三王女。王位継承権は七番目だ。

　物心がついた時には、側に居た。同じ年の同じ日に生まれた。

　彼女が六歳になった時、つまり、俺も六歳になった時、俺に告げた。

「私は、異世界から来たの」

「何それ？」

「まあいいわ。問題ないもの。いつ迄も一緒よ」

　それからいつものように遊んだ。

　彼女が九歳になり、彼女の母親が死んだ時、又、俺に告げた。

「ねえ、何か覚えて無い？　この風景？」

　今度は、真剣な顔で聞いてきた。

「何を？」

「ううん。何でもない」

　だが、その日を最後に、俺は彼女と遊ぶことはおろか、話すことすら無くなった。

　俺は、彼女から遠ざけられた。

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