第7話 真実


「ど、どういうことなの? お母さん……」


 混乱している悠子が義母を見て問い詰める。


「何のこと? 和也さん」


 この場をやり過ごそうとしているのか、必死に作り笑いではぐらかそうとした。


「えっ……か、和也さん? どういうことか説明してくれませんか?」



 今ここで起きている状況を把握できていない悠子は、和也の方を向いて説明を求めている。和也は黙って義母の顔を見つめていた。ここまで来てシラを切る義母に対して、強い悲しみと怒りを覚えていた。世話をしたりされたりの関係だった彼らに密かに亀裂が入っていく瞬間を、まだ出会ったばかりで彼らの事を良く知らない悠子が体感していた。今までの義母、そして真悠との数多くの思い出が頭の中でスライドし蘇る。


 彼女は神津真紀江ではない──いや、正確に言えば元々義母は神津という苗字ではない。当然だが、別の家から嫁いで後から苗字が変わっている。彼女の旧姓は志也(しなり)。志也真紀江。真悠と出会って間も無くした頃、義母の卒業アルバムを見せてもらった事がある。そこで見つけた名前だった。


「お義母さん、あなたはこの国に『強い権力を持った呪術師の三家族がいる』と言いましたよね? これは、僕の憶測に過ぎません。これから言うことは間違っているかもしれないし、本当のことかもしれない。だから、悠子さんも落ち着いて聞いてください。お義母さん、あなたは少なからず、呪術に関する知識がありますよね? そうでなければ、何故真悠の身に起きている現象が、このブローチが引き起こしていると考えたのでしょうか? 何も知らない素人の判断であれば、最初は何か精神的な病気を抱えているのではと考えるはずです。でも、先ほどの説明を聞く限り、あなたはピンポイントで──このブローチのせいで──何か霊的な問題が起きていると説明しました。お義母さん、本当は慎二さんと出会う前から、もう既にこのブローチの存在を知っていて、神津家の正体も知っていたのではないですか?」


 特別推論が得意なわけではないが、和也は義母がブローチについて説明していた時から既に違和感を抱いていた。神津家とは無関係のはずの人間が、当然のように妖魔や呪いなどという言葉を口にするのは、それに関連する分野に興味があり知識に長けているからだと言う他ない。そして、調べるにしてもあらゆる歴史資料などにブローチに妖魔が憑いているという不自然な情報を記載するだろうか。普通そういうものは科学的根拠がないためオカルト的な分野に区切られる。そうなると、情報を探す難易度はさらに上がる。


 その情報を義母が理解し信用するには、事実であるためのそれなりの根拠がいる。神津家の人間が残していた記録の可能性もあるが、仮にそうだとしても神津家に深入りした者ではない限りその情報に辿り着くことは不可能なはずだ。ましてやそれが、普通に町中の図書館にあるとすぐに考えられることが不思議なのだ。


 和也が今までのやり取りで導き出した推測は二つある──ひとつは義母の家系も神津家同様、呪術に関わる一族で事前に何かしらの情報を入手していた。そしてもうひとつは、義母が神津家に対する呪詛返しにブローチを利用した。


 何故ブローチを生み出した神津家が自らがかけた呪詛に嵌るのか。兵器を作るなら、誤爆を想定して何かしらの対抗策を練るに決まっている。簡単に触れただけで自分の一族にも跳ね返ってくるような頓珍漢な呪いを呪術のプロが生み出すというのはあり得ない話だ──だとすると、何者かに呪いを『改造』されていると考えるのが妥当だろう。


 そもそも、『呪術師』とか『呪い』という言葉自体安易に信じられないものだが、もしそれが全て的を得ており事実だとしたら、ひとつの結論が浮かび上がる。


「お義母さんも神津家同様、呪術師の末裔だったのではないですか? そもそもこの町にそういうブローチや神津家に関する資料があるという情報を、神津家とは関係のないあなたが当然のことのように調べ上げ、知っている事自体おかしな事なんです」


 神津家の直結の子孫である慎二が、これらの情報を本来何の関係もない第三者である義母に教えるのは避けるはずだ。しかも、そのブローチは──呪われている──危険なものだ。例えその相手が妻であっても、自分の身内の歴史を容易く話すだろうか。慎二と接触する前に、前もって何か情報を得ていなければここまで詳しくブローチや神津家の秘密を手に入れることは難しい。もし近くに親近者がいれば、迂闊に行動すれば怪しまれるだろう。


「それは……」


 義母が喉奥で唾をゴクリと飲み込む音が微かに聞こえてくる。図星を突かれた義母は視線の焦点が合わず、あたふたしているところを悠子が問い詰めた。


「お母さん、嘘ついてたってこと? 酷い……。お母さん、私たちを苦しめるために、そんな……」


「違う、あれは事故だったの! お願い、信じて和也さん。私は真悠も悠子ちゃんも傷つけるつもりはなかったの。確かに私はあの一家を潰すことを考えてた。だから、復讐のためにあの人に近づいた。お腹に真悠がいる事が分かって、一度は踏み留まった……でも、自分の一族が代々神津家の呪いに苦しめられていたのを思い出して、やっぱり許せなかった。私の旧姓は志也。あなたの言う通り、志也家は呪術師の家系だった──神津家と同じ、三貴族のひとつよ。ごめんなさい……今まで怖くて言えなかったの……」


 義母は項垂れ咽び泣き始めた。白髪混じりの高齢女性がまるで小さい子供のように泣くのを見て和也は半端申し訳なさを感じたが、真悠の真実を探るため、そして悠子を救うためにもこれで引き下がるわけにはいかなかった。


『私を見て……』


 再び脳裏に再び真悠の声が響く。だが、今度は幾度も繰り返され次第に大きくなる。


『私を見て……私を見て……私を見て……』


「私を…見て」


 いきなり耳元で柔らかい声調の女性の声で囁かれた。真悠が実際にそこ存在しているような変な感覚に陥る。ふとその場所を振り返ると、目線の先にはさっきまで座っていた仏壇があった。そこには、供物用のテーブルに立てかけようとして座布団の近くに置いたまま放置された真悠の後ろ姿を写した写真が置かれていた。微かに香る錆鉄の匂いが写真周辺に漂う。


 あの悪夢がまた蘇る。和也は恐怖で棒のように固まった脚を何とか強引に擦りながら出し写真に近寄る。写真を手に取る前から、既に見てはいけないものがそこにあるのが理解できた。


 一部皮が抉れた傷だらけの真悠の顔、左の目玉が飛び出し頬まで垂れ、白黒の世界だったものは血濡れた赤色に染まっている。その顔は、和也が知っている真悠とはかけ離れていた。首が百八十度回転し、カメラのレンズを直視している。口は片方だけ裂け口角が上がっており、それはまるで憎しみから溢れ出た笑みのようにも思えた。


「うぁっ!」


「ひっ……和也……さん? 大丈夫ですか?」


 和也は尻餅をつき、手をつきながら後ろへ下がる。和也の奇声で驚いた悠子が様子を確認しようと和也の元へ近づこうとする。


「ダメだ来るな! 見ちゃダメだ……」


 和也が声を荒げて悠子を止める。その瞬間悠子の歩みがピタリ止まり体が硬直する。和也は込み上げてくる吐き気を抑えながら、再び写真に近づいて詳しく状態を確認する。真悠の顔中心が真っ赤に染まっていた。ケースのガラスフィルムと写真の間に、赤い液体のようなものが滲み出ている事が分かった。その液体は初めに確認した時よりも範囲が広がり、絨毯に染み込み始めていた。


 和也が汚い雑巾を持つような手つきでゆっくりと写真を持ち上げると、ケースを外し写真のみを手に取る。写真を垂直にすると、その液体はいくつもの線を作りながら垂れ下がり、渋い緑色の絨毯に無数の赤い水玉が作り上げられていく。

 

「な……何なんですか、それ」


「真悠……だよ。さっき、真悠が来たんだ……ここに……」


 和也が力無い声でそう答えると、消し忘れていた線香用の蝋燭の火が見えない何かに吹き消された。


「きっと、怒ってるのよ。私のこと……。真悠はずっと、私を連れて行こうとしてる。だから毎回、夢で私の家に帰ってくるんだ。ああ、なんてこと……なんてことなの……」


「お義母さん……」


 義母の瞳から完全に光が失われ、生気を感じ取れない。正気を失ったように頭を掻きむしっている。


「どうして、写真に血が……。私、気分が……」



 悠子には当然、今見ているものが現実のように感じられなかった。頭の中にいくつもの不安の種が蒔かれていく。自分の家系は、かつて多くの罪のない人たちを殺してきた呪術師。そして目の前にいる女性は、自分の家系を潰そうとした張本人。自分が人間社会から隔離された穢らわしい存在に思えた。


「悠子さん、今日はもう帰りましょう。お義母さんも、さっきは唐突に責め立ててしまって申し訳ありませんでした。俺も、もう今日は帰ります……」


 和也は写真を近くにあった新聞紙に包み、黒いジャケットのポケットに突っ込んだ。だがそれは義母を労って離れるというわけではない──逃げ出したかったのだ。どんな理由があろうと、真悠の人生を奪おうとしたこと、そして自分を騙そうとした義母であることには変わりない。


 気がつけば既に駐車場に着いていた。悠子を車に乗せ和也自身も運転座席に座ると、これほどまでにもない安堵感を覚えた。悠子は顔色を悪くして俯いたまま助手席に力なく座り込んでいた。栗色の髪が横顔を隠し運転席側からは表情を見ることはできなかったが、小刻みに肩が震えているのがわかった。


「これから、どうしましょうか……。あんなことになるとは本当に思ってなくて、僕も……良く分からなくなりました。一体どうなってるんだ……」


「和也さん……。さっきの写真、見せてくれませんか? 確認したいんです──私の顔と、彼女の顔を……」


「え……い、いいですけど……」


 写真に嫌悪感を抱いていたはずの悠子が右手を差し出してきた。肩と連動するように手も震えていた。和也は新聞紙に包んだまま血まみれの写真を手渡すと、悠子はその手でゆっくりと一枚一枚丁寧に新聞を捲り始める。


 写真の本体が顔を出す。既に写真の半分以上が真紅に染まっており、何重にも重なった新聞紙にも染みていた。血色化して左半分の額の皮が捲れた真悠の顔を、悠子は目を細めながら凝視している。


「違う……」


「え? 何がですか?」


 悠子は和也の顔に視線を戻した。


「傷が違うんです……。私の場合は四方八方に切り刻まれた傷でしたが、真悠さんのは違う……。それに……これは、事故とかそういうものでできるような傷ではないと思うんです。まるで、誰かに──」


「傷つけられた……」


 和也が悠子の説明を捕捉する。和也は真悠や悠子の顔の傷が、事故にあった夫婦の因果によって表れたものだと思い込んでいた。悠子の発言は、それを覆すものとなる。


「真悠さんの顔は、左側のみに酷い損傷があって右側は何処にも傷がありません。でも、私の場合は顔全体に深い切り傷が何個もあったんです。何か……『拷問』みたいな感じじゃありませんか? これ……」


 和也は助手席に顔を突き出して、目を写真に近づける。まだ血液独特の鉄臭さが漂っている。固まりつつある血液の下から浮かび上がる真悠の顔を、今度は丁寧に確認した。傷の位置を頭に焼き付ける。それでトラウマになろうが、今そんなことは重要ではない。


 悠子が言うには、これは『事故』によってできた傷ではないという。真悠と悠子の傷の形状はそれぞれ異なり違和感がある。それは、『何者か』によって意図的に作られた損傷であることを証明していた。


「も、もしかしてですけど──私の家系の人によって拷問を受けて死んだ人たちがいるどういうことではないですか? その思いがブローチに宿って変な現象を引き起こしている。オカルトチックな考え方になりますが、この状況を見てもそう思わざるを得ないんですよ」


 確かに悠子の言う通りだ。あの駐車場での出来事以来、奇妙なことが立て続けに起きている。オカルトや心霊現象なんていうものは普段は真っ平だが、この写真を見ても、単なる自然現象とは到底思えない事が起きている。


 佐世子が最後に出会った夫婦が本家の末裔であるとしたら、死ぬまでの間に子供がいない場合、その血を継ぐ子孫はいないことになる。約三十年以上も前に本家の血筋は途絶えたのだ。そして本家に継がれるブローチのみが分家に渡り、本家を破滅に導いた災いが分家にも起こり始めた。真悠もその犠牲者になった。そのブローチを手にしたものは、鏡を通して先祖の死に顔を見て呪われ、自身もその報いを受ける。


 和也が導き出した結論は『ブローチを本家に返し供養すること』だった。だが、その本家の所在地が判明しない限り、それを遂行することは困難を極めていた。


 悠子によると、父親は本家のことをあまり話したがらない傾向だったという。電話で話を聞いた限り、佐世子もあまり本家について詳しい情報を知らない可能性がある。義母から聞き出すにしても、あんな心神喪失状態では話にならない──やはり自力で見つけ出すしかないのか。


 悠子が何かを思いついたのか、バッグからスマホを取り出しグーグルブラウザを開くと、この地域周辺の神社仏閣を検索し始める。


「悠子さん? 何をしてるんですか?」


 一瞬和也の方へ顔を向けると、またすぐにスマホの画面へ目線を戻し、タップで文字を打ちながら話し始める。


「私、和也さんにはまだ話してませんよね? 実は、ここの地域周辺では変わった風習があるんです。子供が生まれると、神様から『示名(しめしな)』が与えられるんです。七歳の誕生日と同時にその示名が書かれた木札を燃やして、正式に現世(うつしよ)の者となると言われているんです。父から昔の話を聞いた事があって今思い出しました」


「それがどうしたんですか? 何かそれに手がかりが?」


 和也は肩をすくめて顔を硬らせる。


「はい、あるんです。本家の示名を持つ神社を探せば、その一族がどこの地域の者なのか分かるかもしれません。私の父はその示名の札を大人になった後も持っていたんです。どういう意味だろうと思って……。持病や障害がある子どもは、神様に示名を返せないんです──生涯神様から加護を受けるために必要だとかで。父は生まれながら目が不自由で、示名を返せませんでした。そういう子供たちは示名がなければ、魔に命を盗られると言われてるんです。『魔』です。それが蜘蛛の姿をした怪物とやらで……。とにかく、この続きは移動しながらにしましょう」


 和也は二回ほど軽く頷き、車のキーを差しエンジンをかける。車が発車し大道路に出てくると、それまで溜め込んでいた疑問を悠子に聞き始める。


「一族が障害者や病人とかではない限り必ず全員が示名を返しているとしたら、今もあるかもしれないってことですか? 特に昔ながら呪術師の家系であればそういう仕来りは厳格に守るでしょうが、もう何十年も前ですよ。神社が保管しているかどうかも分からないと思います」


「それが、神社側は簡単に札を処分できないんです。その名前を当てられた人が死なない限りは。もし、生きているうちにその示名を処分されてしまうと、数年のうちにその人に災いが降りかかるという言い伝えがあるんです。病気になったり事故にあったり、変な人に襲われたりとか不幸な出来事が起きて、最悪死に至るとか……。お母さんからの手紙を見た後、あれから気になって自分でも調べてみた事があって。でも、分かったのはどこから来たのかということだけ。どうやら、このブローチは地元の神社と縁が深いようなんです。一見単なる装飾品に見えますが、元々神社の神主と巫女たちが保管していたものだったとか。それが、どういう経緯で神津家の家宝になったのか分かりません。皮肉なことに、その偽物もあるみたいなんです。代々の血族が本物と紛れ込ませるために偽物も作ったようなんです。問題は、そのブローチが本物か、そうでなければ本物を保管している神社はどこなのか。それさえ見つけられたら、ブローチの呪いを解く方法が分かるかもしれません。だけど、結局それだけが分からないんです」


 どこか分からない。ならばどこに向かって走れば良いのだろうか。和也はちらちらとカーナビを見る。しばらくすると、『國浜(くにはま)町立図書館』という名前が画面上部から流れてきた。


──ここか。


 和也は悠子に訳を聞くこともなく、その建物の前に車を寄せて停車した。二階建てで、薄汚れた赤茶の煉瓦造りの角張った建物が助手席に座る悠子の傍らに佇んでいる。その前には、何年も手入れされていないような生えっぱなしの植木が古典的な雰囲気を醸し出しており、誰も気にも留めないような見窄らしい姿であった。だが、建物の手前にはしっかりと図書館の文字が習字のような字体で金属板に彫られていた。


「和也さん、よく私が行きたかったところ当てましたね」


「歴史的な書物がある場所って言ったらここしかないでしょう」


 和也は運転席から身を乗り出し、コンクリートに足をつけた。足元で「ピチャ」という音が聞こえ見下ろすと、溝の水が溢れて溜まっているのに気がついた。和也は顔を顰めて足を上げる。ジーンズに水が飛び散り微かに汚物のような臭いが漂い始める。


「どうなってんだ? ここは……」


 和也は今にも嗚咽を漏らしそうな表情で悠子の方を振り向いた。悠子は顔を上げ建物の二階部分をじっと眺めていた。


「悠子さん? どうしましたか?」


 悠子から何か異様な空気を感じ取った和也は、彼女の側に歩み寄り肩にそっと手を添えた。


「悠子さん? 大丈夫ですか?」


「……和也さん……」


 悠子は添えられた和也の手の甲を右手で触れた。久々に人の温もりを感じた悠子は一瞬優しく微笑むが、それはすぐに不安という感情に掻き消された。悠子はゆっくり振り返り、心配する和也の瞳を見据える。


「実は、見て欲しいものがあるんです。一緒に来てくれませんか?」


 悠子は和也の手を取り、建物の中へ入ろうとした。だが、何故か和也の脚は思うように進まない。その瞬間、再び背中を冷たいもので撫でるような感触がした──あの時と同じ、駐車場の夢で真悠の顔をした悠子と別れた際に感じた冷気だった。


「どういう意味ですか? それ……」


「流石にひとりでは調べきれない棚があったんです。二人いればいくらか早く終わるかもしれません。とにかく、中に入りましょう」


 和也は引っ張られるように悠子に手を引かれたまま建物の中に入っていった。

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