【8】 作詞依頼
俺、原⼝マコトは、恋⼈である吉村茉奈ちゃんのために、作曲をしたのであるが、その曲「愛のソナタ」のアレンジを今、進めている。
そして、俺はこの曲に関して、⼀つの願望がわいてきた。詞をつけたくなったのである。
しかし、俺⾃⾝には作詞の才能はないので、誰かに依頼することになる。とはいえ、俺の知り合いには作詞家はいないし、どうしたものか?
俺はカルテットのメンバーに相談してみた。すると、愛花ちゃんが……。
「それだったら、叔⽗の林⾳⽣(ねお)がいいんじゃないでしょうか? 恋愛ごとは苦⼿だなんておっしゃってたけど、なんだかんだいって、素敵な奥さんをつかまえてますしね。
それに《こころの専門家》を名乗ってるくらいだから、《こころの病》を患う原⼝さんにピッタリの歌詞を書いてくれると思うんです。」
「なるほど、それは名案だね。叔⽗さんを紹介してくれるかな?」
「もちろんです!」
そして、翌週、俺は林⾳⽣先⽣とお会いすることになった。林先⽣は現在、イタリアに住んでおられるのだが、お仕事で翌週は⽇本におられるとのことだった。
当⽇、林先⽣に作詞の件を依頼してみると、
「いちど、原⼝さんの曲をお聞かせ願えませんか?」
「わかりました!」
俺は、あらかじめスマートフォンに録⾳しておいた⾳源を、鳴らしてみせる。すると……。
「ほう。なんとも美しい! まさに《愛の旋律》と⾔うにふさわしいメロディですね。
わかりました。お引き受けしましょう。1カ⽉ほどお時間を頂戴(ちょうだい)してよろしいですかな?」
「もちろんです!」
こうして、俺の曲に林先⽣の歌詞をつけていただくことになった。完成したら、真っ先に茉奈ちゃんに聴かせたい。
あ! 誰が歌うんだ?
まぁ、俺が弾き語りすればいいか。ヴィオラの弾き語りなんて聞いたことがないけどな。
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