第99話 はじめての船旅【アールノッテ国編】
ロウちゃん11歳、蟹推しの畑に立つ!!
観察始めとしては、やはり手堅く土地柄が出る定番の基礎草さん!からであろう。
基礎草さんは太陽いっぱいで育つ薬草さんなので、薬草畑の真ん中にドドーンと陣取る事が多く、手始めの観察にもってこい!である。
基礎草さん、基礎草さん……どこかなぁ〜?
思った通り、畑の中央に向かって歩けばすぐに基礎草さんの列を見つけた。
ふむふむ。
乾いている土の部分はだいぶパサパサしていて砂のようだ。だが、水あげが終わり水気を含んでいる部分は、大分ねっとり?重めの土になっている。栄養がたっぷり混ぜ込んであるとわかる。しかし雑草はないので、丁寧に世話がされている。
ただし……基礎草さんは全体に小さめである。
葉は艶々で一つの虫食いも欠けもなく質が良いとわかるが、いかんせん全体的に一回り小さい。
俺は、つい空を見上げる。
今日も鈍色の分厚い雲が覆っている曇天である。
アールノッテ国は、曇りの日が多く日照時間が他国よりも短いので、おそらくそれが原因だろう。
だが、大きさ以外は一つも綻びなく美しい生き生き基礎草さんである。
いいですねぇ……この国の薬師さん達の愛情と期待を一心に受けて大事に育った基礎草さんは、小さいながらもピンッ!と強そうで、見た目はちんまいが立派な武人のロウちゃんと親近感である。
お!!ほうほう、この基礎草のお隣の列に植えてあるそのお姿は『メリクリ草』さんですね!!
俺は、渋おじの御本様で予習済みであるので、薬草図鑑とはちょっと違う姿のメリクリ草さんもわかっちゃう違いがわかる薬師さんである。
トゲトゲのシルエットが間違いなくメリクリ草であるが、やはり特筆すべきはその色であろう。
「本当に銀です!!すごいですねぇ〜!!」
葉っぱも茎も見事な銀色である。
父上の御髪のように美しい銀色である。
俺は、大興奮でしゃがんで葉っぱの後側も銀なのかな?と覗いてみる。
「あの…………」
「ほうほう銀!!素晴らしいです!!葉っぱと変わらぬ銀!!」
「あのっ!!」
「??」
何か呼ばれてる??ちょっと視線をあげるとちったい足があった。
そして、その足を辿ってみると、バーク兄様くらいの青年が一人立って、俺をみている。
「??どちら様です??」
「いや、それ私が聞きたいんだけど……君、どこの子?」
「その手にはのりません!知らない人に、簡単には名乗っちゃいけないんですよ?」
青年は、ポカンとした顔になったが、よく考えたらそうだよね!みたいな納得な顔になる。
「私は、ここの管理をしている『トリタ』だよ。この場所はとても特別な場所だから、立ち入ってはいけない場所なんだよ」
なるほど、この青年は庭師さんみたいな感じなんだね?このお庭が外部者に荒らされないか心配なんですね?
「お気遣いなくぅ〜です!ロウちゃんは、薬草さんの素晴らしさを理解できる薬師さんです!触ったり、ツンツンしたり、採取したりはしあいですよ?ただちょっと見るだけぇ〜です!」
「え?……君、薬師なの?」
「駆け出しの薬師です?」
「………見習い??ってこと?」
青年はポカンな顔になるが、はっとする。
「もしかして、今日来た南の国の薬師さん達?」
「どちらから来たと聞かれたら南から来ました!」
「そっか……師匠がこっちに来たらお弟子さんも一緒だよね……」
「??」
青年は一人でふむふむしていたが、決意したように視線を上げた。
「私達も見習い期間は親元を離れて、あちらの建物で生活しているんだ。この国は南と比べて寒かったり、不自由な事も多いかもしれないけれど、みんな優しいから、困ったりわからない事があったらいつでも相談してね」
「ありがとうですぅ〜、ロウちゃんって呼んでください……」
「ロウちゃん……そっか、可愛くて良い名前だね、私のことはトリィと呼んでくれていいよ。みんなにもそう呼ばれているんだ」
「トリィくん!」
イワドリさんとシンパシー感じるあだ名だね?
「ロウちゃん!」
何となく呼んでみたら、トリィ君はお返し!とばかりに呼んでくれる。
なんだか、もうすっかりお友達の距離感である。
嬉しい気持ちでふふふすると、トリィ君はなぜか真っ赤になった。
「??」
「ロウちゃん……笑うと可愛い……」
「では、早速お言葉に甘えて質問です!」
「!!うん、何?」
「このメリクリ草さんはいつ収穫しますか?」
「これは月夜にしか収穫できないよ……えっと、一番早い収穫の日は4日後だったかな」
「ほうほう4日後」
俺は忘れないうちにノートに収穫時期を記入する。
「月に輝くメリクリ草はとっても幻想的なんだよ……でも収穫したら朝がくるまでに処置しなきゃならないから徹夜の作業になるからちょっと大変だよ」
「採りたて新鮮調合の基本は一緒なんですね?」
「収穫後に日光にあてると色が薄くなってしまうんだよね、効能が落ちるかはわからないけれど、この国で輸出品になれる貴重な調薬の材料で無駄にできないから、確かめたことはないかな」
「……トリィくんは、効能が落ちないかも?と仮説があるんですね?」
「!!」
俺はその説明のひっかかりを確認すると、トリィ君はちょっと驚きつつも、こくりと小さく頷く。
「正確には、もっと別の調合があっても良いんじゃないかなって想像するんだよね……メリクリ草に限らず、このアールノッテ国の薬草畑に育つ薬草は、厳しい環境に適用していった薬草だから従来とは違う方法や効能の可能性があってもいいんじゃないかなって……まぁ、私が見習いで物を知らないから……」
「ロウちゃんもそう思います!!」
「え?」
「薬草発祥の国と言われるデデン国はとっても厳しい環境でした。とっても高い山の上の岩場に薬草畑があるんです!!そこの薬草は従来のよりも逞しくて、中には従来の調合にひと手間必要なものもあります」
「そうなの?!」
「デデンの薬師さん達は薬草さんに寄り添って生きてます!薬草さんもデデンの厳しい環境で、デデンの人達のために寄り添って育っているんです!!つまり、薬草と薬師さんはともに環境変化しながら生きているんですよ!」
「……そうなんだ……そっかぁ……」
「あと銀のメリクリ草は北部の寒冷地帯にしかないのでまさに環境適応した種です!元のメリクリ草は土壌により効能がかわるので、可能性は無限大です!」
「え?そうなの??周辺国で生産しているものもメリクリ草は銀だと思うけど??」
「薬草図鑑にのっているメリクリ草は緑です!酸性の強い土壌だと赤みがかると記載があります。土壌によって色が変化して用途が異なることしか記載はありませんが、この銀のメリクリ草は、夏場でも20度以下の気温が保てる地域で育つ特産品です!」
「知らなかった……」
「身近なSUGEEEはわかりにくいものなんですよ?」
「なるほど……それで熱心にメリクリ草をみていたんだね……南のメリクリ草はどんな感じなの?」
「………ロウちゃんはみたことないです……」
国軍の薬草畑でも残念ながら栽培していなかったんだよね……多分、グラン男爵の領地とかで栽培している可能性はあるけどね?
「そっか……なんか、ごめんね?」
「でも基礎草さんはたくさんみてきましたよ!!基礎草さんは南部の太陽たっぷりの地域の方が大きく育つ傾向にあるようです!」
「あ、それはあるよね!!師匠は日照時間の問題じゃないかって言っていたよ」
「ロウちゃんもそれは思いました!!でも、ちったくとも色味が濃くて、南部よりもこっちの基礎草さんの方が効能がぎゅっとしていそうです!」
「そうなの?」
「基礎薬を作ってみたら違いがわかるかもぉ〜?」
違いを調べるために、一本、どうぞぉ〜!な展開の期待を込めてトリィ君を見る。
「あ、う、うん……でも、もう新しい薬師さんの管理になるから……方針とか管理方法とか確認しないと……」
まぁ、国の管理の薬草畑のようだし、一本くださいは難しかったよね?
じゃあ、その新しい薬師さんに許可してもらいに行こうか!!
ーーーーーーーーー
【お知らせ】
トントンカンカンッッドドドドッ!!
ロウちゃん:そこを堀ってあっちに新しい通路を作るんですよぉ〜!!
大隊長達:おぉ!任せろ!!ロウちゃん!!
ルイたん:??ロウちゃん?何してるの?
ロウちゃん:100話を踏むと!!発動する仕掛けをつくってるんです!
ルイたん:キリ番?的なやつかな?
ドラオ(キィちゃん):キリ番ってなんだよ?
ルイたん:ドラオ君、なんか言った?
ドラオ:いや、大丈夫だ。
ロウちゃん:キリ番といえば、作者ページから確認できるフォロワーさんの数が990人ですよ!(もしすでに減っていたらごめんですぅ〜)
ドラオ:おぉ〜!あと10人で大隊長だな!
門番さん(中隊長):いつの間にか中隊長500超え……さすが妖精さん。TUEEE!!
大隊長:さすがロウちゃん!!ついに大隊長(1000人隊長)だな!!いよいよ戦場無双の薬師としてひとかどの人物になったわけだな。うむ、めでたい。
ルイたん:大隊長のお祝いといったら!やっぱり花街!!座の仕切りの大華はルイたんがやるからね!!
ロウちゃん:ありがとうですぅ〜。
ドラオ:これ、また何か家臣あつめてやんのか?
ロウちゃん:100話とかぶるかも?なスケジュールなので、そっちのお祝いは一周年といっしょにやりますよ?
ドラオ:なるほど!じゃあ12月だな!俺も祝いの品を用意しておくからな!
ロウちゃん:薬草とか薬草とか神話級とかどうぞぉ〜?
ドラオ:お、おう。
ロウちゃん:次回100話投稿で発動する(?)仕掛けをお楽しみにねぇ〜です!!
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