うちのおじいちゃんの話

縁乃ゆえ

私が出会った強烈なやつ!

 うちのおじいちゃんは身体障害者手帳を持っている九十歳を超えても元気に出したご飯は全部食べる人なんですが、結構前に家の中で異臭がしたことがあったんです。

 何故か風呂場からその異臭が漂って来て、数時間経っても全然異臭はなくならない。

 妹が風呂に入って出たら、さらにその異臭が強烈になりまして。それでもその異臭の原因が分からなかったんです。

 風呂場を見ても原因となる物は何も見当たらなかったので、何だろう? この匂いは……と家族皆が思って過ごして、私の風呂の番になって入ったら、目の前にいつもなら細長い側溝の蓋があるはずなのにない!

 何でだろう? と思いつつ、髪を洗ったりしてたらふと目に入って来たんですね。

 見ちゃいけない物が。

 何故、私の前に入った母は片付けない?! と驚きましたが、それは紛れもなく、私のこぶしくらいの大きさのハンバーグみたいな形のが三つくらい重ねて置いてありました。

 そう、大便です。

 すぐに風呂から出て、私は母に言いました。

「何で片付けないの?!」

 怒りが込み上げて来ました。

 もちろん、それは両親のものではなくて、祖父のものです。

 母はこの匂いがどこから来るのか? と探して、まさか……と思って、風呂場の側溝の縦に細長い蓋を開けてみたら、それがあったと言います。

 そして、それを見ながら風呂に入ったという母に私は思わず笑ってしまいました。

 いや、片付けようよ……。

 自分の親じゃないからってさ……。

 と呆れたのと、こんな強烈なオエッとして吐きそうになる臭さの中、風呂に長時間入り続けた母の強さと言いましょうか、何とも笑える出来事で、もう笑ってしまって、笑ってしまって、自分でもおかしくなってしまいましたが、片付けるよ!! と私は意志を持って言ったんですが、どうにも笑いを封じられず、母も一緒に笑いながらゴム手袋とビニール袋を三枚重ねくらいしたのを用意して、そのハンバーグの形のやつを私がゴム手袋して取って、ビニール袋の中に入れるという方法をしたんですが、そのゴム手袋が私には大きくて、結局ビニール袋を手にやって取るという犬のお散歩の時の方法を使いました。

 これは私がおじいちゃんの孫だからできるんだ! と思いましたが、普通はやらないです。

 もしくは私が介護の資格を取る時に他人のオムツ交換を経験していたからできたのかもしれません。

 あの経験も今に活かされているんだな……と思いながら、あの柔らかさはきっと水のせいでビニール袋を使うと滑るようになってしまったんだ――とか、水のせいで匂いがもっと強烈なものになってる!! と苦戦しながらも必死で背後には見守る母と始終言い合いながら、笑いながら、事を終わらせました。

 その時、自分の親なのに何もしない父は――と言うと、そんな臭い中、私と同じような目に遭っていただけでした。

 父に片付けてほしかったです。

 その原因を作ったおじいちゃんはそれ以降も珍行動を起こしてます。

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