第9話ゲーム配信4
私はゲームオーバーになる直前にセーブしていた場所から、青鬼が来たせいで確認しきれていなかったピアノ部屋に向かっていた。ピアノ部屋には金庫もあり、ピアノについてた数字をヒントにパスワードを打ち込むと金庫が開き、『子供部屋の鍵』を手に入れることができた。子供部屋に入ると、はぐれた友達の美香が部屋の中にいた。
「お、これで一応全員と会うことはできましたね。とりあえずアイテムを先に取ってと……よし、話しかけてみましょうか!」
『ライターオイル』を回収した後、美香に話しかけると少し会話した後「一緒に行きましょう」と「ここで待ってください」の選択肢が出てきた。もちろん仲間と一緒にいた方がいいと思うので、一緒に行く方を選択したのだが……。
美香
『冗談じゃないわ!化け物のいる館を歩き回るだなんて!』
と、一蹴されてしまった。その後話しかけても『卓郎……早く会いたい……』と呟くばかり。なるほどねー、なるほどなるほど……。
「…………」(ライターオイル使用ボタンカチカチ)
コメント
・無言でライターオイルカチカチやめてwww
・実際こんな状況になったら館の中歩き回りたくないもんな
・俺だったらタケシみたいにクローゼットに篭ってる
・わかる。俺も何年か忘れたけどずっと部屋に籠ってるもんな
・↑すまん、一緒にしないでくれ
・ライターオイルをどうするつもりだったんだ……
「はぁ、また一人で行かなきゃなんだ……とりあえず探索続けましょうか」
2階と3階は今ので大体探索し切ったと思ったので、次は1階の奥の扉の向こうを探索することにした。奥の廊下の向こうは鍵がかかってる部屋があり、右に向かって行くと畳が敷いてある和室がある部屋に出た。
「うわぁ、嫌な予感しかしない……」
和室がある部屋に入ってから私はそう呟いた。だって畳の奥に襖があるんだもん。絶対近づいたら出てくるじゃん……。アイテムがあるかもしれないから調べないわけには行かないので、入り口でセーブしてから見に行くことにした。
「ゆっくり、ゆっくり……あれ?結構近づいたのに出てこないってことはだいじょばないですよねやっぱり来ますよねえええぇぇぇ!!!!!!」
案の定襖に近づくと、右の襖から青鬼が出てきた。今回逃げるの使った道は広くて逃げやすかったのもあって、すぐに撒くことができた。
コメント
・さっきから来るって予想できてるのにここまでびっくりできるのはすごい
・綾華ちゃんのゲーム配信はホラゲーメインでいこう
・引退させる気かな?
・今度コラボ配信でホラゲーやってくれないかな
・お、逃げるのだいぶ上手くなってる
「逃げるのはだいぶ慣れてきたので、行き止まりの部屋に入らない限り逃げ切れる自信があります!あと予想しててもびっくりするのはしょうがないです!追いかけられてる時に不安を煽るようなBGMなのもありますし……。あとホラゲーメインにさせようとした方、名前覚えましたからね」
コメント
・ヒェッ
・よっしゃ!推しに名前覚えてもらえたぞ!
・すげぇじゃん!よかったな!
・やさしいせかい
「その反応は予想外でしたよ……。まぁいいです、続き行きますよー」
青鬼が出てきたところの隣の襖を調べると『ライター』を手に入れた。廊下の突き当たりの近くの壁が一部薄くなっていたので、最初に回収していた『皿の破片』を使うと隠し扉が出てきた。そこにドアノブをつけて中に入ってみたが、主人公が視認できなくなるほど暗い部屋だった。
「多分ライターを使って進むんでしょうか……ライターを使うと自分の周りを明るくしてくれるんですね!あ、ロウソクがある」
ロウソクに火をつけると部屋は一気に明るくなり、部屋全体を見れるようになった。奥の扉を進んでいくと、刑務所で見るような牢屋がある不気味な部屋があった。
「ゲーム内とはいえ牢屋に入るのは落ち着きませんね……。というかなんで館の中に牢屋なんてあるんですかね?あの青鬼となんか関係あるのかな……?そこら辺のストーリーとかも気になってきますね」
コメント
・青鬼のストーリーは明確にされてないから考察が色々あるよな
・青鬼は元々館の住人とか、主人公の幻覚説とか
・明確にされてないが故の面白さもいい
そう言いながら私は牢屋の中に入って牢屋の扉を閉め、中で光っていたアイテムを取ることにした。アイテムを取った瞬間、青鬼が部屋に入ってきた。
「ッ……少しびっくりしたけど、これこっち側に来れないんじゃないんですか?ふっ、ざまぁみろですよバカな青鬼さん〜」
そう言って煽っていると、急に鉄格子を挟んで青鬼がこちらを見ている画面が変わった。ん……?そう思っていると青鬼が鉄格子を掴んでガシャンガシャンと鉄格子を激しく揺らし始めた。
「ちょっ、ちょっとタイム!そんなに激しく揺らされると牢屋壊れちゃう!!あとシンプルに怖い!!!煽ってごめんなさい!!!」
なんとか青鬼は諦めて出て行ってくれたけど、かなりSAN値がピンチになったよ……。
「はぁ、はぁ、ここが私の楽園なんです……。青鬼はこっちに入ってこれない、追いかけられない、怖くない。つまりここはこのゲームの終着点なんですよ……」
コメント
・煽ってから謝るまでのスピードが即落ち2コマと同じなんよ
・大丈夫?一旦ここでやめる?
・まぁ謎解きはサクサクできてる
・今度続きからやっても全然終わると思うから今回はやめてもいいと思う
・そうそう
あったけぇ……コメントがあったけぇよ……。よし!少し元気が出てきたし、半分くらいまで頑張ると言ったんだからそこまでは絶対にやり切るぞ!!
「ありがとうございます。コメント欄の皆さんのおかげでだいぶSAN値が回復しました!!ただ半分くらいまで頑張ると言ったのでそこまでは頑張りますよ!!」
そう言って私は牢屋のあった部屋から飛び出して、再び探索を開始した。
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