幼馴染に告白して連敗したオレが次に好きになったのは…
猫の集会
であい
いやー、漫画って面白いですよねー。
目の前のカリカリのポテトにも目もくれず、オレは黙々と漫画に集中していた。
バイトで働いたお金で漫画を買い、好きな食べ物を買ってのくつろぎタイムは、最高ですよね〜。
ヘッドホンをして歌も聴いていたんだけど、集中力が切れるからと、ヘッドホンを外した。
そしたら、そのとたん…
「あーおいし〜」
って、聞き覚えのある声がしたよね。
…
しれーっとオレの横に座って、ポテトを食い散らかしていたのは、オレと同じ高校に通う幼馴染の
「おい、なに勝手に食ってんだよ?」
「え?欲しいの⁇それじゃあーんして?」
「は?やだよ…」
「そ?じゃあいらないんだ。てかもうないけどさ」
…
なにこいつ…
「おまえ…オレのポテトを…今度弁償な」
「今度?今ならキャンペーン中だよ?」
「なにがだよ」
「菜々ちゃんキャンペーン実施中♡」
…
「もうさ、意味わかんないし…そもそもなにしにきた?またノート見せてってやつか?」
幼馴染菜々は、視力が悪く黒板がよく見えないそうで…
眼鏡したらいいんだけどね…
でもどうやら菜々いわく、乗り物酔いするらしい。
そもそも、何に乗ってんだよ?って話なんですけどね。
むしろ、眼鏡をのせてる方だろってなわけなんですけどねー…。
そんな、意味不明な幼馴染はとにかく自由人なんですよ。
そしてマイペース。
「あ、それでこれからカフェ行くの?行かないの?行くよね?」
って半ば強制でカフェ行きが決定した。
まぁ、とりあえず良かったとホッとしましたよ。
だって、オレが読んでいた漫画って幼馴染との恋がいきなり発展⁉︎って題名だったし、菜々にそこを突っ込まれる前にさっさとお出かけいたしましょうかね。
てなわけで、猫に狙われたネズミみたいに大急ぎで着替えて出発いたしました。
てかさ、菜々…なんでリュック背負ってんの?
遠足か?
…
まぁ、どうでもいっか。
外は、なんとも心地よい風が吹いていて優しく包まれる。
そんな感じでしたよ。
あぁ、この優しい包まれ方はまるでクリームとバナナを包み込むクレープ生地のようでございます。
ってさ‼︎
おいおい…
気づけばオレは道のど真ん中でガチで包まれていた。
「菜々…なんでオレを抱きしめてんだよ?」
「え、だって両手広げたからハグかと思ってさ。違った?」
なんてキョトンとしていってくるんですけど⁉︎
え?おまえさんは…めっちゃ軽い女かよ‼︎
「あのさ、普通の男にそんなことしたらただじゃ済まないからね?」
「えっ⁉︎有料なんだ⁉︎ホイホイ詐欺?」
…
「そんなのねーし」
「は?じゃあ…これは事件のにおいがします。香ばしくて甘〜い」
「もうそれは事件じゃないね。」
「たしかに」
オレたちは、いつもこうやって生産性のない、くだらない会話をしているのであります。
でさ、カフェでもやっぱりくだらない会話をして、なんかその辺のお店をぷらぷらして帰るんですけど…
菜々がお花を摘みに行くとかいって、ちょっと待っててってなんていうからぼけ〜っと待っていたんです。
そしたら、いきなり知らない美少女がオレの前に現れたんですよ。
めっちゃかわよ‼︎
てか、どことなく空気感が菜々に似てる。
でも、この子二重だ。
菜々は、一重だし…服も菜々とは違いめっちゃ清楚系だな…
まぁ、マスクしてるからよくわからないけど…って思っていたらその子が、
「ごめんなさい!それで…ご趣味は?」
ってオレの顔を覗き込んできたんですが?
「えっ⁉︎」
いきなり隣に来たかと思えば、話しかけられた。
ごめんなさい?からの趣味⁉︎
…
「えっとー…読書…ですかね…」
「ですよねー。漫画好きですもんねー」
⁉︎
占い師⁉︎
この人、占い師なんじゃね⁉︎
あ、でも…オレのバッグにアニメキャラついてるけど…
「えと…」
「干支ですか?あなたは猿です‼︎」
「あ、あたりです…」
ってさ、何⁇
干支当てゲーム始まっちゃったし…
てか、当たってるけどさ…
菜々早く戻ってこないかな…。
「あのー…もう一度言いますね。ごめんなさい」
⁇
なにがごめんなさいなのだろうか?
「えっとー…ごめんなさいとは?」
「そのままのお言葉です。足…を…」
足?
その子が落とした視線にオレも合わせてみた。
…
踏まれてました。
あー、だからごめんなさいからの挨拶をしてきたのかな?
てか、踏まれっぱなしでも全然気づかないとかオレって…
「あ、大丈夫ですよ」
とお返事しておいた。
するとその子は、安心したような表情を見せたかと思うといきなり、
「あの、わたし実はこう見えて性格がひん曲がっておりまして、針金くらい曲がりやすいんですね。そこでご相談があります。」
って、相談された。
?
ご相談…
初対面で相談は、初めてですね。
とりあえず聞いてみることにした。
「相談って?」
「実は…わたし友達があまりいませんで…よかったらお友達になっていただけませんか?足を踏んだお詫びもしたいので。」
そう言い終わると、スッと携帯を出してきた。
そして、
「わたし…携帯苦手だから、このアドレスしか使えないのです。登録からよろしくお願いします」
って頭を下げられてしまった。
友達からよろしくお願いしますの言い方で、登録からよろしくお願いしますって…そんなかわいい子に言われたら、そりゃねぇ…まぁ、オレは菜々が好きなのでお友達ならばってことで、アドレス交換をした。
その子は、嬉しそうに携帯を握りしめて去っていった。
なんだったのかわからないけど、とにかく悪い子ではなさそうだった。
それから数分後、少し疲れた様子の菜々が戻ってきた。
「トイレめっちゃ混んでて、あっちのビルまで走って…そしたら、迷子になっちゃった。ごめん」
て、謝ってきた。
だからオレもすかさず謝った。
「オレこそ、菜々のリュック持っといてあげればよかったな。ごめんな、気がつかなくてさ。」
って謝ったあと、すぐさまあの子のことを報告した。
その話を聞いた菜々は、目を丸くして驚いた様子で聞いていた。
そりゃそうだよね。
幼馴染のトイレ待ちしてたら、いきなり友達できたって…ね。
そんなやつは、そうそういないだろう。
菜々は、
「いいじゃん、付き合っちゃえば?」
なんてかる〜くいってきた。
「いや、ないよ。だってオレが好きなのは菜々だし」
「だからー、わたしは付き合えないから」
…
あっさりフラれました。
えぇ…
以前にも告白しているんですけどね…もうなん連敗かわからないくらいフラれております。
…
とりあえず気を取り直しまして、菜々とショッピングなどを堪能して帰宅したんですわ。
夕食も終えて、お風呂も入って部屋でゴロゴロしていたら、携帯がピコンってオレを呼んだ。
続く。
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