第9章:新技術の導入と戦力増強

太陽側の勝利の余韻が広がる中、海空 蛸蜜柑はさらなる勝利を掴むため、新技術の導入を決断した。その技術は、月側の結界や防御力を打ち破るために開発されたものであり、太陽側の軍事力を飛躍的に高める要素となった。技術者たちは急ピッチで研究開発を行い、その成果を戦場に投入しようとしていた。

技術開発の中心地

海空 蛸蜜柑が指揮を執る技術開発部門は、広大な研究施設で次世代兵器の開発が進んでいた。ここには技術者や科学者たちが集結し、兵器開発に全身全霊を捧げていた。技術者たちは疲れ切りながらも、海空 蛸蜜柑のビジョンに強く共感し、技術革新に取り組んでいた。

「月側の神秘力や結界を打ち破るには、太陽のエネルギーを最大限に活かす兵器が必要だ」

海空 蛸蜜柑は技術者たちを前に、こう述べた。彼の表情には戦術家としての冷徹さだけでなく、技術革新への確信が表れていた。

「このエネルギーを軍事に応用することで、月側を打ち破るための力を手に入れることができる」

その言葉を受けて技術者たちは懸命に設計図を練り、エネルギー兵器「太陽砲システム」の開発を進めていった。


「太陽砲システム」の詳細

「太陽砲システム」とは、太陽光を電力変換して超高出力のエネルギーを発射する兵器だった。これにより、月側の防御結界を貫通できることが見込まれていた。太陽の光が兵器として集約されることで、広範囲への攻撃が可能となり、月側の結界を打ち破る鍵となる。

太陽砲の試験運用では、兵器の出力、精度、反応速度などが徹底的にテストされた。

「これさえあれば、月側の結界は私たちの前では無力だ」

海空 蛸蜜柑は満足そうに述べた。しかし、太陽砲の開発には莫大なエネルギーが必要であった。そのエネルギーは自然エネルギーから得るため、太陽の光が絶えず必要であり、長時間の発射は限界があった。

その限界を乗り越えるため、海空 蛸蜜柑は太陽の光を最大限に効率化する新たな発電装置「太陽エネルギー変換炉」の開発も同時に進めていた。

この変換炉により、自然の太陽光が効率よく電力に変換され、太陽砲がより長時間の連続発射に耐えられるようになる。技術者たちはこの新兵器を完成させることで、太陽側が戦争を勝利に導くための決定打となることを確信していた。


月側の反応と心理戦

月側は太陽側の技術導入に敏感に反応し、ただ指をくわえて見ていることはなかった。べいそら おまいえは太陽側が新しい兵器を導入し、戦力増強を図っていることを察知していた。

「太陽が技術革新を急ぐ理由……新兵器の存在が月側を脅かす要因となる」

月側の神官や指導者たちも、太陽側の意図を読み解こうとする中で、技術力を用いた軍事行動が戦場の勝敗を決する要因になることを警戒していた。

月側は反攻のための「古代の秘術」と「神秘力の強化」を計画し、技術対策や結界強化に取り組んだ。しかし、技術や物資の不足、内部の統一性の欠如が月側を悩ませていた。

「私たちの結界や神秘力を強化することで、太陽の新兵器を迎え撃たなければ……」

べいそら おまいえは神官たちと協力し、月の予言や神秘力を戦術に組み込むことで、太陽側の技術革新に立ち向かおうとしていた。


新兵器投入と戦場の展開

太陽砲システムと太陽エネルギー変換炉が完成し、試験も順調に進んだ結果、ついに戦場へと展開された。太陽側の軍勢は新兵器の圧倒的な火力で月側の防御陣形を次々と崩し、戦況を完全に優勢に導く。

「月側の結界は私たちの技術の前に次第にその力を失いつつある」

海空 蛸蜜柑は冷酷に報告を受ける中、さらなる進撃を指示した。

新兵器が太陽の軍勢に勝利をもたらし、月側の戦意は確実に低下していった。この兵器と技術力が戦争の勝利への決定打となる可能性が高まっていた。


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