第5話 猫は良いな、寝る子で過ごせる

 上はノーブラでニットのノースリーブ、下はノーパン7分丈のレギンス、猶多ゆうたが爺の時なら丼3杯は平気で行けるオカズなはずが、創意工夫に乏しい無趣味な老人は、同じ服装見飽きて何とも感じ無くなった。

 裸も見飽きて何も感じん、女性服少ししか買って無い、着回しても限界だ。


「美女は3日で飽きる、とは良く言ったものだ」

 実際は爺さん50日ほど楽しんで居たが。


 面倒なので室内で動き易い為だけの服装だ。居間から見える小さな庭は遮蔽ブロック塀で外からは覗けない、伸びた草が気になり突っ掛け履いて草取りを始めた。


 ふとブロック塀を見ると、チャトラ猫がキャットウォークしてる。

「猫は良いな……」


 突然金縛りが起こり、身動き出来なく成った。

 動くのは声の出ない口と、猫の動きを追う視線だけ。

 またあの全身を襲う灼熱が起こった。






 灼熱の苦しみは今回も長く感じたが、20分丁度で嘘のように痛みが無くなり、目の前の除草してた草が巨大に伸びた様に見える?


ニャニャンちがう!」(ありゃ? 言葉が?)


 自由過ぎる動きの首をグルリ回し、身体を確認した。

ニャンニャねこだ!!」


 ブロック塀の上を、キャットウォークしていたチャトラ猫の姿だ!



 成る程、女に変わるだけで無く、変わりたい対象を見て、変わりたいと思えば擬態出来るのか!


 動くと、猫の身体は小さい、服からすり抜けた。

ニャンニャンニャニャニャッニャ状況は分かった

 何にでも擬態出来るか試してみたいが、これは迂闊に何処ででも起こると大変だ、金縛り状態で20分の灼熱苦痛、おまけに今人に変化すると全裸状態だ!


 それより仔猫になって、163㎝体重48㎏美女の質量は何処に消えた? 私の身長は165㎝体重53㎏だった、美女とそれほど違って無いので気にしなかったが、美女と仔猫の質量差は無視出来んだろ?


 ま、爺が美女に、美女から仔猫に変化している、不可解な事に比べれば質量云々なんて些細な事か!

 実際は物理法則無視の現象、ちっとも些細じゃ無い出来事だ。


 異世界ファンタジーなら、魔素を取り込みや放出とか適当な言い訳出来るが、現代ファンタジーでは魔素とかは使えん……ファンタジーなら良いのか。


 誰に対しての言い訳か? 猶多ゆうたは酷く混乱している様だ。


ニャニャニャンそれより

お座り状態で、ゆらゆら揺れる尻尾が気になる!


狙って、ガバッと尻尾を掴もうとした。

当然尻尾は逃げる、逃げる尻尾を追いかけその場でくるくる回ってる。


高速回転する私、回りながら思った。

(猫に擬態して、知能まで猫並みに落ちたのか? バカな行為が非常に楽しい!)


回転を止めブロック塀に飛び上がった。

(猫の跳躍力って凄いな!)


ブロック塀の上をキャットウォークした。

涼しい風が吹いてる、身体を丸めその場で昼寝した。

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