歩いてたら見知らぬ女性に軟禁されることになった件
食券A
第0話 自己紹介R
(律視点)
突然だが、俺、客律(まろうど りつ)はとても機嫌がいい。あの面倒な学校も昨日で一旦の終わりを告げ、夏季休暇に入ったからだ。そして今年の夏は高二の夏である。高二の夏ともなれば、日々を遊んで暮らすのが責務というものだろう。こういう小説に出てくる男子の多くはぼっちであり、六割ほどの確率で妹キャラがいるものだが、俺はその六割を引きはしたものの、ぼっちではない。数多い、とまではいかないが仲の良い数人の友人がいるし、日々の学校生活もそれなりに楽しく過ごしている。まぁ彼女というSSRには手が届かなかったようだが。
さて、長々しい自己紹介もここまでにして、今機嫌がいい要因の二つ目を語るとしよう。欲しかった本がようやく手に入ったのだ。ここまで大袈裟に語っておいてそれだけか、と思う方もいるかも知れない。ただ、その中に六軒本屋をはしごした方はどれほどいるだろうか。俺も家から近い小さめの本屋にはないだろうとは予想していた。が、そこから5軒もたらい回しにされるとは想像してもみなかった。そこまでするくらいならネットで注文するか電子で買え、という二回目のツッコミが聞こえてくるが、俺は、今すぐに、紙で読みたかったのだ。この考え方を理解してほしいとまでは思わないが、何か信念を持ってやった行動であるということはわかってほしい。
本を手に入れた今、最優先するのは帰宅。本来であれば電車に乗って帰れたのだが、流石に六軒もはしごをした後電車に乗れるだけの持ち合わせはなかったので、徒歩帰宅である。先ほど信念がどうだとか言ったと思うが、流石に少し後悔している。炎天下の中歩くのはかなりきつい。まぁここでどれだけ愚痴を言おうが現実は変わらないので、さっさと足を進めるとしよう。
さて、ここまで会話文と改行の無い小説に皆さんは耐えれたのだろうか。
まぁ、皆さんなどいないわけだが。
ともかく、本を手に入れたのならばすることは一つ。さっさと家に帰って読了する。そう思いつつ家への歩みを進めていく。
…まさか誰かに後ろをつけられていたなど、気付かぬままに。
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