第2話 こうすれば、半狂乱になってオンナは自らホックを外す ②-2

 不用意に動きたくないので、親父たちからの“酌しろ!コール”もある程度はで撥ね付けた。その分、新人くんにお鉢が回った訳だが、どうせウチの会社は古い体質だ。

 これも訓練と諦めてもらうしかない。


 んで、観察してみると


 カレ、

 結構飲める?……

 いや違うな……

 リミッター知らずのパターンだ。

 この時点で実は

「You are already dead」

 なのだ


 案の定、お開きになってタクシーに乗り合わせた時には、カレはもう、グテングテンだった。

 無理もないわ、

 さっきの店の酒燗器にささっていた一升瓶。中身が黄ばんでいたもん。

 のお銚子をラッパ一気飲みさせられていたら……死ぬよ……


 私はすごく嫌な予感がしたので

 なるだけカレ(山口くん)の近くに寄りたくなかったんだけど

 それは皆も同じで……

 結局、介抱を押し付けられた。


 そう言えば『掃き溜め女子』ってはるか昔、合コン相手に言われたなあ……


 なんかの偶然で、そいつのT●itter見たんだけど

 すっかり脂肪を溜め込んでやがったので

 ゲラゲラ笑ってやった!


 自慢じゃないけど私

 夏場は“毎日がサウナ”で思いっ切り絞れたもんね!

 あんな環境の中でもブクブクが変わらなかった、この親父たちの方がよっぽど不気味に思えるけど……


 あ、山口くんの動き! ヤバい!!!

 とっさにサイドドアの窓を下ろして風を入れ、Yシャツのボタンをもう二つほど外してあげたけど……時間の問題かも!!


「あ、オレら、やっぱ飲み直すから降りるわ、領収書は5千円までな!」

 男どもは私と山口くんを置いて逃げるようにタクシーを降りて行った。


 おい!5千円じゃあ多摩川も越えられない!!!


 とにかく山口くんを何とかしなきゃ!

「ね!キミ、家どこ?」


 カレが何か口を動かしたので顔を近づけたら、がした。


 私は慌ててタクシーを止め、カレを引きずり下ろした。



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