俺の不死身人生(アンデッドライフ)について教えてやろう
瀬島ユウキ
プロローグ あの日
「諸君!何のお願いもしていないのにこの世に生まれてしまった諸君!本当にそれでいいのか!他人の愚行を見て見ぬふりをして、自分のことだけを考えて!いつ死ぬのか分からないのだから、もっと大切に日々を生きようではないか!」
俺の目の前は真っ赤な炎で広がっていた。その声に耳を傾ける人や避難を仰ぐ人達、全ての人たちの命は今日ここで終わるのかもしれない。俺もその声に耳を傾け、自分の人生を思い出していた。あの悲劇と絶望とほんのちょっとの希望を纏った日々。
全てはあの日から始まったのだろう。俺がちょうど六つの頃だ。静かで平和だった村に轟音が鳴り響いた。
「ドーン!!」
束の間村は燃え盛り、村人たちが急いで避難を呼びかける。
「魔王だ!魔王の軍隊だ!」
そう。この世界には魔王がいて、村や街をたびたび破壊しに来る。俺の住んでた村は街の離れたところにあって、狙われにくく比較的平和なんだ。言い方を変えれば、発展途上で影が薄い。
「何してるブルース!早く行くぞ!」
俺は父親のあまり見ない焦り具合からこれは緊急事態だと知った。急いで父親に着いて行き、母親に抱き抱えられながら、村の避難所へと向かった。そこからの景色を俺は鮮明に覚えている。
避難所へ行く途中俺が見たのは、焼き尽くされる村と、見るも無惨な姿をした化け物たちが村人を襲っているという何とも残酷な光景だ。俺は恐怖で泣きじゃくるだけでは済まず、下半身の力が抜け・・・・・・っていうのは誰にも言えないことだ。
急に村の人々は歓声を上げた。空からドラゴンというのか、父親からもらった伝説の本でしか見たことがないそれは、地上へと降り立ち、ある一人の者を降ろした。銀色に輝く鎧を纏い、まるでその人は同じ人間ではないかのようなオーラを放っていた。束の間その男は金色の剣を抜き出し、目にも見えぬ速さでその剣を地面に叩きつけた。するとその剣は大地を揺らし、振動は化け物たちの足元へと伝っていった。化け物たちは一瞬にして足を崩し、次々と倒れていった。
「聖騎士様が来てくれた!」
村人はたちまち喜び、村中に希望が芽生えた。そして俺はその光景に釘付けになっていたのだ。
「ここは任せろ。早く避難するんだ」
その聖騎士様と呼ばれる男はそう言って剣を振り回し、化け物を美しい剣捌きで殺していく。避難しに行くにつれて段々とその姿は遠ざかる。だが俺はその姿を一秒でも長く見たいと思い、痛くなるほど首を後ろに回して見ていた。憧れと強い希望を抱きながら。
「父さん、あの人は誰?」
俺は避難所に着いてもあの光景が頭から離れずにいた。
「聖騎士だ。国王様が村を助けるために送ってくれたんだ」
「聖騎士ってどうやったらなれるの?」
「ずば抜けた才能と人一倍の努力が必要だ。そう簡単になれたものじゃない」
そう言われたものの俺は胸の高鳴りを抑えきれなかった。あの光景を思い出して夢中になっていたが、大きな声が集中を遮った。
「おいブルース!大丈夫だったか?」
クーロ。こいつは幼馴染だ。何でも出来て気さくで、根暗な俺とは正反対なやつだ。男らしい顔をしていて俺とは大違いだ。普通はそんな奴は知能が優れてなかったりするけどこいつは違う。
「大丈夫だよ。エリーは?」
「またあいつの心配してるのか?どんだけ好きなんだよ」
「そんなんじゃねえよ」
「まああいつなんだが爺ちゃんが見つからなくて、探しているらしい」
エリーは村長の孫娘。赤毛で美しい瞳を持っている俺の幼馴染だ。俺の主観でしかないが、みんなそう思っているはずだ。一言で言うと天真爛漫。いつも元気だが、あの日だけはものすごく泣いていた。そして俺は誓ったんだ。もう二度とこんなことがないように俺は最強の聖騎士になって必ず魔王を倒してやると・・・・・・
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