「モ」の連鎖

@kyodenmoti

モの連鎖 本編

あるサークルの500円


 僕ね、大学であるサークルに所属していたの。そのサークルはまだ設立したてで、人数も少ないようなところだったの。んで、そのサークルが文化祭でお店を開くっていうから、いいじゃないと思って企画からなにから一緒になってやってたの。

 今はもうそのサークルやめちゃったんだけど。そのやめた理由が500円なんだ。


 1杯500円のドリンクなんてふつうは高いと思うじゃん?でも文化祭マジックでさ、売れちゃうんだよ。2日間で100売ろうとしてたのに、1日で全部完売。驚いたよね。僕は製造と販売をずっとやってたんだけど、どんどん来るお客さんにもう来ないでくれとまで思ってしまうほどに。

 嬉しかったんだけど、夜確認したら、そのドリンクの最終的な売り上げが500円多かったんだ。会計の時の間違いは結構ある話だから、今回もそうなのかなって思ってた。でも最初に用意してた釣銭と販売数量とかを計算したら、ぴったり合ってしまったの。つまり、500円のずれはなかった。


 やめた理由はその500円だけじゃなくて、サークルのトップの人があまり優れた人ではなかったっていうのもあるんですよ。1日目に売り切れそうになったドリンクを、2日目どうするのかとか、そういう意味を込めてもうすぐなくなりそうだよって伝えていたんですよ。そしたら、理解はしたみたいなんですけど、方針を考えるってことをしなかったみたいで。実際に完売したときに考えるっていう人だったから、自分とは合わないなって感じ。

 

 そんな鬱憤もありつつサークルをやめたわけなんですけど、いまだに500円が気になってしまうんですよ。ちなみにそのあとに、僕の友人がお釣りを多くもらってしまったと連絡してきたんですけど、500円を渡されて、つまり1000円分のずれがあったはずってことになるじゃないですか。怖くなったんで、その500円を帰り道の自販機に入れてそのまま何も買わずに帰っちゃいました。


 団体のお金の管理はほんとに細心の注意を払っておくべきだなって思いましたね。

 みなさんも気を付けてくださいね?

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る