第13話「美容院の選択」



「そろそろ切りたいんだけど…」


鏡の前で髪をかき上げながら、私は溜息をつく。就活用の写真撮影が近づいてきた。今まで使っていた1,000円カットは、さすがに不安だ。


「どこかいい美容院ないかな」


スマートフォンで検索すると、たくさんの美容院が表示される。価格帯も、スタイリストの経験も、お店の雰囲気も様々。


「目利き」アプリを起動してみる。


```

サービス名:クイックカット

価格:1,000円

効果:整髪+5

特性:速さ重視、基本カット

相性:日常的なメンテナンス

隠れた特性:

- 技術の個人差:大

- カウンセリング時間:最小限

- 仕上がりの持続性:低

```


続いて、レイカ先輩お勧めの美容院を確認。


```

サービス名:スタイルデザイン

価格:カット7,800円

効果:似合わせ+15、持続性+12

特性:カウンセリング重視、提案力

相性:イメージチェンジ

隠れた特性:

- 技術の安定性:高

- 頭皮ケア込み

- スタイリング指導付き

長期効果:

- 髪質改善

- 自己管理スキル向上

- 好印象の持続

```


「やっぱり、違うんだ…」


数字を計算してみる。確かに価格差は大きい。でも、月々の違いでみれば…。


「1,000円を2回 vs 7,800円を3ヶ月に1回…

月々の差額は約1,600円か」


カフェでの待ち合わせ時、レイカ先輩の髪型が、いつも決まっている理由が分かった気がする。


予約を入れてみる。緊張しながらも、salon予約アプリをタップ。


***


「お客様の髪質だと、こういったスタイリングがおすすめです」


美容師さんは、丁寧にアドバイスをくれる。ただ切るだけじゃない。自分でのケア方法や、朝のスタイリングのコツまで。


鏡の中の私は、なんだか新しい表情をしていた。


```

発見メモ:

美容サービスの価値

- 技術だけでなく知識も得られる

- 長期的な髪の健康管理

- 自信につながるスタイリング

```


家に帰って、新しいシャンプーと共に届いた気づき。


「高いものが、必ずしもムダではない。

大切なのは、その価値が自分に見合っているかどうか」


スマートフォンには、美容院からのアフターケアメールが届いていた。次回予約の提案と、自宅でのケアアドバイス。これも、サービスの一部なんだ。


就活用の写真を撮る日まで、あと2週間。少し背筋が伸びる気がした。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る