「今度、お父さんにも彼を紹介するね」
烏川 ハル
第1話
窓の外を見てごらん。ほら、雪が降ってきたよ。
三年前のあの日と同じだ。いや、いきなり「あの日」とか言っても、君には通じないかもしれないが……。
娘が死んだ日だよ。
彼女は当時、二十歳になったばかりでね。国立大学の文学部で、フランス文学を専攻していた。
課外活動としては、まずボランティア活動のサークル。アルバイトも、予備校のチューターという真面目な仕事だ。良きお姉さん役として存在そのものが手本になったり、もっと具体的に、大学進学を目指す若者の相談に乗ったりしていたのだろうな。
ほら、ここからも見えるあのビルだ。今さら説明するまでもないが、あれが祥子の働いていた予備校だ。週三回くらいのペースで、祥子はあそこに
そして、あの日。あのビルの屋上から落ちて亡くなったのだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます