第50話
「あぁ、そんなに見つめられたら俺······!」
瞼を閉じ、喜びを噛み締めている様子の彼。
どうやらとってもご都合主義な脳みそをしているようだ。きっと人生ハッピーに違いない。
······っておい!目瞑っちゃってるじゃん!前を見ろ!!転んだら真っ先に犠牲になるの私なんだから!!
「あの、前!!」
「············」
律儀に注意するも見事に無反応。その代わりにといってはなんだが、さっきよりも格段に息が荒くなっている。
そんな彼の息が顔にかかると、その直に届く熱い吐息に図らずもゾクッとしてしまう。
「んっ······」
「あれ、もしかして尊ちゃん······感じた?」
「は?」
唐突な爆弾発言に言葉を失う私。
その一方で嬉しそうな、楽しそうな。
そんな笑みを浮かべて聞くこの人はホントにいい性格をしていると思う。
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