第43話 第一段階アウトレンジ作戦

 ついにこの日が来た。

混合魔法キャノンによる一斉砲火を帝国兵が始めた。


結局私、ラン、ロルグ、シズクの4人はまだ子供だからという理由で戦線の参加ではなく、予備兵力としてこの都市ノースランドに留まることになった。

 それでも戦争の行方が気になるから、4人とジョセーヌが東の塔から戦線を観察していた。

 ジョセーヌは都市の最終的な守備隊として、また戦況を観察する役割として、さらに私たちの保護者としてこの塔にいるわけだが。


 高いところから見ているから分かる。一方的なワンサイドゲームだ。

超遠距離から繰り出されるキャノンに魔族側はなすすべもない。最初は圧倒的魔力を持つスケルトンウィッチのスカルが巨大な魔力を用いた長距離範囲魔法のメテオを返してきたが、たった1体の個人芸でどうにかなる戦況ではなかった。じりじりと相手側のスケルトンが倒されていく。スケルトンの持つ遠距離装備の弓を用いてもとてもじゃないがキャノンを放っている魔導士には届かない。ただただキャノンによりバラバラにされる的と化しているだけだ。


「あの一つ聞きたいのですが、今回のキャノンを用いた戦法は魔族軍も使うことが出来ないのですか」

「無理だろうな。魔法を扱える魔物はいるがそれらは大体一つの属性しかない。

混合魔法のキャノンを用いるなら他の種族の魔物と協力しないといけない。

だが魔族が他の魔族とそれも自分たちの配下の魔物同士を協力させるなんて協調の取れた行動をできるとは思えない。魔族の文化的にも魔王の方針的にも役割分担で他の魔族と協力することがあるが一緒に配下の魔物を小隊レベルで混ざり合い一つの軍隊として行動させることはないからだ」

 

 それは私もうすうす感じていた。

だから複数の種族の魔物を操れるキメラ種の魔族ミラがあそこまで危険視されていたのか。


「まあ他にも、生物的に構造の違いすぎる魔物同士で息を合わせて混合魔法を扱うことはとてもすぐできるようなことじゃないと思うしね」


 話しているうちにスケルトンたちが撤退していく。

「すごいわ、お姉ちゃん。

長年苦しめてきたスケルトンたちの軍団を簡単に撤退させてくれるなんて」

「これからだ。最初の衝撃としては完璧だ。

あとはこのまま敵地の奥に侵入、魔族のスカルを倒すだけだ」


 さっきまでキャノンの魔法を放っていた魔導士たちが土魔法を用いた対岸まで渡れる橋を作り出した。

 いよいよ第二段階のブリッジ作戦の発動だ。

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