夫は生き抜いた…全ては家族の為に

未田かえで

第1話 その時は突然に

 きっと夫はお腹を空かせて待っていることだろう。いつもより30分程遅くなった私は足早に帰宅をした。


 「ただいま!」

いつも通り声を掛けた。

ソファーの定位置でいつも通り昼寝をしている。

ん?

何かいつもと様子が違う。

慌てて手首を握ってみた。

脈が取れない。

呼吸をしていない…


 まさか…

急いで119番通報をした。救急車さえ来てくれれば何とかなる。救急車さえ、来てくれれば

その時はそう思っていた。


 救急隊の指示は的確だった。救急車が到着までの間、私に電話越しで心臓マッサージの指導をして下さった。

 私も必死だった。兎に角、救急隊が到着するまで私が何とかしなければ…


 不安だったが指を加えて見ている訳にはいかない。「早く来て!」そう、思いながらも兎に角必死に心臓マッサージを行った。

 救急隊が到着すると心臓マッサージを変わってくれた。プロに任せれば大丈夫!

末端は少し冷たいものの、体はまだ温かい。


 このまま、病院に到着さえすれば、ドクターに診て貰えさえれば大丈夫!この時もそう思っていた。


 だか、しかし…

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