第24話


 運転席の足元に、僅かな電磁波が残っている。


 アクセルペダルにはシミのような跡が残っていた。


 多分、犯人はアイツだ。


 ランク「E」のスキルメーカー、青嶺颯汰(あおねそうた)。


 東京に潜伏しているとされるシークレットリスト(※特殊指名手配リスト)の1人で、軽犯罪を何度も犯している青年だ。


 ここ最近目黒区で目撃情報が相次いでいた。


 行方を追ってたんだけど、出没する時間や場所がまばらで、思うような成果を上げられずにいた。



 『痕跡を見つけた』


 『目星はついてるのか?』


 『多分アイツ』


 『青嶺のことか?根拠は?』


 『手口を見ればわかるよ。アクセルにイタズラしたんだと思う』


 『…ほう?』


 『試すように発言はやめてよ。ハンドルにも痕跡がある。運転手は怖かっただろうね。勝手に車が動いてるんだから』



 アイザックはへんに回答を引き出そうとする癖がある。


 私が新人の頃はあーだこーだと口出してきたくせに、最近になって意見を求めるようになってきた。


 教育の一環なんだろうけど、ちょっとウザいんだよね。


 回りくどいって言うの?


 無駄に説教くさいわりに、自分で考えろって言ってくる。


 なんでその選択をしたのか?とか、お前だったらどう思うんだ?とか。


 学校の先生みたいにさ?

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