始まり (優)

第3話

愛の背中には、

大きな火傷の跡が有った



私は冷えた手で、

その火傷の跡を撫でた





私の手とは違い、

愛の手はとても温かかった



私の冷えた体にゆっくりと触れる



触れられた所に、

愛の体温が残っていく…





「優、

俺達は上手くやったんだ。

これで良かったんだ」



愛は私の耳元で、

そう囁いた





本当にこれで良かったのだろうか…



私は、

本当にこんな事を望んでいたのだろうか…



私が彼を不幸にした…



本当に、

これで良かったのだろうか…





愛の唇が、

私の首筋をなぞる…



愛の吐く息も、

また温かい




愛を信じていればいい



ずっとそう思っていた…



だけど…

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