1-4【ムカつくやつ】

「でっ お前たち、知り合いなの?」


「知らない」


「ひょっとしてほんとにストーカー?」




「違うわよっ!


ちょっと知らないの、

私結構有名なんですけど!」



「あっ~なんか見たことある~、


女子がこの間騒いでたモデルの子だ!

確か・・・しずくちゃん!」



綾瀬あやせしずく、聖泉女子高校2年、

『pretty』の読者モデルやってます!」



「モデルなんてチャラチャラしてるなっ」



わなわなわな



「おいっ承太郎じょうたろう

聖泉女子高校って名門女子高じゃん。


でっ、そのしずくちゃんが

承太郎じょうたろうになんの用?」



「きみにこの間満員電車で

ずっとかばってもらっていたから


そのお礼を言おうと思って

それだけだからっ!!」



「そんなのいちいち覚えてねーよ、

覚えてないやつにお礼いっても

意味ないだろ?」



承太郎じょうたろうそんな言い方は・・・」



むっか~



「とにかくあの時はありがとう

あとっこれ・・・」


かけらを出そうとしたけどまた変な勧誘だと言われそうだからやめた。




彼はコーヒーを口にしながらその様子をちらりと見てる。


またこいつなに言い出すんだって感じで。



「それだけ言いたかっただけだから、

帰ります。」


「しずくちゃん帰っちゃうの、もっといなよ、ライン交換しようよっ!!」



わたしが席を立ち、帰ろうとしたその時。




「ちょっとまて!その狼はなんだ!」


「狼?、どこどこ??」

と友達は狼をさがしてきょろきょろし始めた


わたしは背を向けていた体を振り返った。



「きみっやっぱり!!知ってるのね。

『星のかけら』のこと」


「そんなものは知らん」




友達の男は訳わからない様子で


「なに?なに?なんの話??」




つかさ悪がお前先に帰ってくれ、

こいつと話しがある」



友達のつかさ、勝手に勘違いして。


「なにっ~なに、どうした~、

わかったわかった

邪魔者はお先にしつれいしま~す。


承太郎じょうたろう、しずくちゃんのライン聞いといて~ね~」



「・・・」



「しずくちゃんごゆっくり」


と言い残して帰っていった。



わたしはもう一度席に戻っり


「ちょっとっ!!見えるの?ポチっ!!」


「ポチっ?狼だろそいつ?

ポチって名前かぁ、センス悪いな」



むかぁ~~鼻で笑われた!



「だって子供の頃犬だと思ってただもん!!犬といえばポチでしょう」


「犬だからポチっていうのも安易だな」



こいつ~


「ちょっといい加減にしなさいよっ!」



わたしは興奮しすぎて立ち上がって声をあらげてしまった。

だけど彼は冷静に。


「大声出すと目立つぞ。お前有名人なんだろ?」


とまた鼻で笑らった



こいつ性格わるっ!



「でっ、きみは『星のかけら』もってたわけ?」


「『星のかけら』なんて乙女チックなものもってるわけないだろ」



いちいちむかつくこの男



「じゃあなんなのっ?」



「お前は何者だっ!!」


「何者ってなに?

さっき自己紹介しましたよねっ!

聞いてなかったんですかぁ!」



「ふ~ん、まーいい、質問変える。

お前は何で見える?」


「はっ?」



「その狼、普通のひとには見えないんだろ?」


「はぁ?見えませんけどぉ~、

私にもわかりませ~ん」



「・・・むかつくからその言い方やめろっ!」



は~?さんざんむかつくこと言ってきたはそちらですけどっ!!



「ほんとわかんないのっ!


子供のころ山で遭難しかけて、

この子に助けてもらってから、うちに住みついた。


誰なのか聞いても教えてくれない。」



「お前狼に話しかけてんの?」



はっ!動物と話ができるなんていったら絶対馬鹿にされるじゃん。



「違うポチは人間になるから。」


はっ!ばかぁもっとバカにされる!



「ポチ人間なの?」


「ポチっ!いつもの姿にっなって!」


「ポチが人間にぃ?」



「ほんとなんだから!


いつも家にいるときは人間なんだから!


・・・あれ?そういえばポチ家以外で人間にならないのか?」



「お前飼い主なのになにも知らないのか?」



「知らない、でもポチは私の守り神だって小鳥先生が言ってた!」


はっ!ヤバイ!!・・・



「小鳥先生?また面白いの出てきた。

誰だそれ、まさか鳥かぁ?

ヤバイなおまえ」


ムムムっ~!!



「小鳥先生は黄色いとり!!


小鳥先生に教わったの、地球のこととか、ゆがみとか

それでゆがみを直さないと、消滅するっていうから、


わたし一人で一生懸命整えてるんだからっ!


わたしだって意味わかんないよっでもやらなきゃいけないんだよ~!!


大変なんだから~」



わたしは感極まって号泣してしまった。



「泣くな。俺が悪いみたいじゃねえか!」



お前が悪いわっ!!

彼は少し周りを気にしながら


「おいっ 目立つから帰るぞ。」

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