このカゴの中には何が入っている... ☆

お風呂。。

僕はお風呂場へと向かうと、服を脱ぎ畳み、まずはシャワーでさっと体を流した。


他人の家のお風呂は、やはりどこか気を使うもの。


シャワーのレバーをひねると、勢いよくお湯が噴き出した。

「おっ」と少し身を引いてから、水圧を調節し、体を濡らしていく。


「えっと...シャンプーは.....っと」


体を洗おうと洗面台を見回した時、ふと目に留まったボトルがあった。

手に取ってみると、辺りにふわっとの甘くて優しい香りが漂い、思わず深呼吸してしまう。まるで、満開のお花畑にいるかのような

甘いはちみつの香り。。


「いい匂い....つむの香りだ。。」


僕はシャンプーを手のひらで泡立てると、ふんわりとした白い泡が指の間から溢れてきて。。指先で地肌を優しくマッサージするたびに泡が髪の一本一本包み込んでいく。


髪を流して、リンスーをつけて__...


「ふぁ〜〜...!」


洗い終えた体を湯船へ沈めると、甘くて優しい香りが広がると共に、熱すぎないお湯がちょうどよく染み渡った。


水面に触れた肌から湯気がゆらりと立ち上り、ふわりと頬を撫でていく。


「ん〜〜!」


伸びをしながら、今日の出来事をゆっくりと思い返す。

 

今日は、急につむの家に来ることになって、配信の見学をさせてもらった。

配信中に手つなぎだした時にはめちゃくちゃ緊張したし、囁かれた時なんて、もうおかしくなっちゃいそうだった....


『ほんとは、私たち付き合ってるのにね。のんのん。。』


かぁぁ〜〜。思い出しただけで頬が蕩け落ちそうだ。


「...でも..あの時は本当に焦ったなぁ。」


あの物音を立ててしまったときの冷汗。でも、つむの佐々木さんも笑ってくれて。明日は2人で謝罪初配信をすることになって..それどころか、今日はここに泊っていくことになって...


湯気の向こうで、自然と笑みがこぼれた。


肩まで湯に浸かると、幸せの感触が陣割と広がっていって。思い返せば、あまりにも突拍子もない出来事の連続で、一つ一つの出来事が夢のように不思議で..


「あ~ほんとに最近、幸せだなあ~」


囁く声とともに。水面に小さな波紋が広がった。今日という特別な日が、静かな湯の底で、きらきらと輝いているようだった。


僕は湯舟を上がり、バスタオルで体を拭きながらさっきまで履いていた下着を身につける。。

「フゥ~フゥ~♪」


無意識に続く口笛とともにつむからもらったカゴの中身を取り出す。


薄水色と純白が口語に入っているもこもこのパジャマ。手に取るだけでふわっとした感触が指先に伝わり、まるで雲をつかんでいるかのよう。


少しドキドキする気持ちがありつつ、あんまり意識しすぎるのもそれはそれでつむに失礼だろう!と思い、僕は服を広げる。その瞬間のことだった、、!!


ポトッ...


広げたパジャマの隙間から、ひらりと何かが床に落ちた。。


「何だ?」と思い、床に視線を向けると__


見覚えのある三角形の布。薄い水色にリボンがついていて、何だかちょっと透けているような....そして、純白のシャツのようなもう一枚の布地..でも肩紐が細く、胸の辺りに何かがついているような.....


「え....これって...!!??」


手にしたパジャマから落ちたのは、明らかに下着だった。薄水色の繊細なレースのショーツと、清楚な白のキャミソール——


これって...!!??つむの下着!!??


これが...いつもつむが着けている....


いや!!いけない...いけない....


僕の下半身が暴走を抑えきれなくなりそうなところを僕の自制心が止めにかかる。


僕は目を閉じて激しく高鳴る旨を抑える。


「スー...ハー....スー...ハー...」


深い呼吸を繰り返し、乱れた心の波を鎮めようとする。指先がかすかにふるえている。。


「....ふう。。。」


.....どうしよう。。これ。


こうして僕の2枚の布地との熱き戦いが始まったのである。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

脳内世界


僕A(理性)「さて....今回の議題はこの2枚の下着をどうするか...です」 


僕の脳内の4つの僕が議論を担当する緊急会議。。脳内会議がスタートしたのである。


僕A(理性)

(メガネを静かに調整し、落ち着いた声で)

「今回、この2枚の下着をどうするか。ということですが、答えは簡単でしょう。ズバリ!つむが間違えてカゴの中にいれてしまったのです。」


僕C(羞恥)

(顔を覆いながら耳まで赤く染める)

「わ、分かってた……けど、やっぱり……あぁ……! 返す時のことを想像するだけで……」


僕B(欲望)

(不敵な笑みを浮かべ、身を乗り出す)

「ハハ、待てよお前ら。最近のつむの様子を見てないのか? あの積極的な感じ....これは偶然じゃないかもしれないぜ?」


僕D(思考)

(ため息混じりに両手を広げる)

「……また始まったか。お前の妄想は現実逃避の域だぞ。素直に洗ってそっと戻すのが最善だ。」


僕A(理性)

「同意です。余計な解釈は不要。ただの誤りを、紳士らしく修正しよう。」


僕B(欲望)

(肩をすくめ、にやつく)

「ククッ……甘いな理性。じゃあ、これを見てから結論を出せ!」


そういうと、僕B(欲望)はモニターにある映像を映し出した。


(※つむ配信中のため物音には気を付けてください にて)


『「0人、、です、、、。。!」

勇気を出して、つむは優しい嘘を付くと同時に僕の指にゆっくりゆっくりと指を絡めてきた。。。


視線は合わせず、、。配信画面を見つめながら、、視聴者に嘘をつきながら、、。。


僕たちは手をつないだ、、、。』


僕C(羞恥)

(椅子からずり落ちそうになり、顔を手で覆う)

「ひゃっ!?.......つむ.....」


僕B(欲望)

(興奮気味にモニターを指差し、にやつく)

「まだだ!みんなこれを見てくれ!」


『僕らは互いの手を握り続けていた。つむはお水飲むのかな?。。

そんなことを考えていたら、僕の耳元に柔らかな吐息が触れた。

「ほんとはさ、、私たち付き合ってるのにね!のんのん♡」 』


僕A(理性)

(メガネが一瞬曇り、冷静を装うが声がわずかに震える)

「....これは...なんというか非常にハレンチですが。。それが何か...?」


僕C(羞恥)

(もじもじと膝を抱え、顔を真っ赤に)

「!?....うぅはずかしい..」


僕B(欲望)

(両手を広げ、勝利の笑みを浮かべる)

「つまりだな、、今回俺が言いたいのは、、つむは意図的にカゴの中に下着を入れ込んだ。つむが俺らを誘惑している。というわけだ。」


僕C(羞恥)

(びくっと震え、声が上ずる)

「ゆ、!?ゆうわく!?...」


僕A(理性)

(ため息をつき、指でメガネを押し上げる)

「あのなあ。。さっきも言われただろ?お前の考えは単なる現実逃避だって。。」


僕D(思考)

(腕を組み、慎重な表情で)

「いや..ちょっと待ってくれ。もしかしたら、僕B(欲望)が言っていることにも筋が追っているかもしれない。思い出してくれ。つむが服を貸してくれた時の事、つむのクローゼットの中の事を...」


僕D(思考)もまたモニターにある映像を映し出した。


(僕は女の子なのでお泊まりもします)にて

『「...タオルとかはどうしたら良い?」

急にお泊まりが決まったものだから、タオルに着替えなんて持ってきていない。

「あ〜..確かに。全然考えて無かった。」

つむは少し考え込む素振りを見せると、クローゼットの方へ歩いていった。扉を開け、中を探るつむ。そして、つむは小さなカゴの中に何かを詰め始める。

「タオルと......これ、わたしの服!のんのんとあんまり身長とか変わらないし着れると思う。」』


僕D(思考)

(突然机をバン!と叩き、全員の注目を集める)

「ここ!!」


僕A(理性)

(メガネをずらしながら困惑気味)

「う~ん。特に何かというシーンは見られませんでしたが...」


僕D(思考)

(指を立て、論理的に解説モードに)

「浅い。理性は。。説明しよう。」

(ホワイトボードを引き寄せ、要点を書き始める)

「まず、つむのクローゼットの中は整頓されている。ましてや別の種類の服が乱雑に置かれているなんてことはない。」


僕A(理性)

(うなずきながらメモを取る)

「それは、、まあ。。そうですね。」


僕D(思考)

(熱弁をふるい、ボードに矢印を描き加える)

「そして、僕らはつむがそのクローゼットの中からしっかり選択して、服を選び籠の中に入れてくれたという状況も見ている。。」


僕A(理性)

(深くうなずく)

「なるほどなるほど。」


僕D(思考)

(ボードをバン!と叩き、結論を宣言)

「つまり!これが『間違い』だなんて確率的にゼロに等しい!これは明白な『意図的な混入』だ!欲望の仮説は正しかった!」


僕B(欲望)

(ガッツポーズをしながら、にやりと笑う)

「うんうん。。むっつりだったのはつむだった!というわけだな!」


僕C(羞恥)

(椅子で小さく丸まり、耳まで真っ赤に)

「えぇぇぇ....それは...ハレンチすぎるよ....もじもじ)」


僕A(理性)

腕を組み、最後の抵抗)

「うーん。。。確かに入れ間違える事は無いのかもしれないですけど、、、つむがそんな事ほんとにするのでしょうか...?何か別の解釈は....」

(メガネの奥で目を泳がせる)」


僕B(欲望)

(腕を振り上げ熱狂的に)

「つむはえっちな子だからな!!それもまた一興」


僕C(羞恥)

(指先をツンツンと合わせながら、頬を赤く染める)

「うぅ...でもたしかに..わるくないかも__」


僕D(思考)

(突然眉をひそめ、手のひらを前に突き出す)

「いや...ちょっと待ってくれ。。」


僕B(欲望)

(不機嫌そうに腕を組む)

「まだ何かあるのか!」


僕D(思考)

(ゆっくりと立ち上がり、ホワイトボードに新たな項目を書き始める)

「この説には、とある矛盾点があります。」


僕C(羞恥)

(きょとんとした表情で)

「えぇ...さっきはそんな事いってなかったのに....」


僕D(思考)

(ボードの前でふと手を止め、深くため息をつく)

「つむは、えっちな子なのだろうか。。」


僕B(欲望)

(急に動きが止まり、目を細める)

「....ん?....」


僕A(理性)

(メガネを押し上げながら慎重に)

「というと...つまりどういう事でしょうか....」


僕D(思考)

(言葉を探るように手を動かし、苦悶の表情)

「いや...だな....なんというか言葉では表しにくいんだが...つむって....えっちな子なのか...と。。。」


僕B(欲望)

(急に勢いをなくし、困惑気味に)

「そりゃあ..えっちな子に決まってるだろう.....なあ、、?みんな」


僕A(理性)

(眉をひそめ、もごもごと)

「いやぁ....それは...なんというか...」


僕D(思考)

(突然熱く語り始め、ホワイトボードを力強く叩く)

「みんな考えてほしい!僕らのつむは、可愛くて!いとおしくて!守ってあげたくて!頑張り屋さんで!真面目で!一生懸命で!そして何より、優しくて!。。」


(一呼吸おいて、静かに、しかし熱を込めて)

そんなつむがえっちな事なんてするか!?あの!純粋で純白なつむが!!」


僕C(羞恥)

((ぷくっと頬を膨らませながら、足先をちょこんと揃えて)

「....たしかに....つむは純粋な子.....(こくん)」


僕B(欲望)

(虚脱状態で椅子にへたり込み)

「いや、それただのユニコーンじゃ...(呆れ顔)」


僕A(理性)

(熱弁をふるい立ち、メガネがキラリと光る)

「つむはえっちな事なんてしたこと無いし、そんな破廉恥な事まだ知らないはずです!みなさん!(教壇を叩くような勢い)」


僕B(欲望)

(ぽつんと隅の方で背中を丸め、誰も見ていない壁に向かってつぶやく)

「おい...スルーされたって....」


僕D(思考)

(感動に震えながら、ホワイトボードを力強く指す)

「つまり!!です!つむは、下品な気持ちなんて一切なしに純粋な親切心で僕に服、下着を貸してくれたんだよ!男の子のパンツの形なんて知らないし、えっちな事なんて1センチ、いや1ミリたりとも知らないんだ!!!」


僕C(羞恥)

(感動で立ち上がり、机に手をバン!)

「そうだ....!そうだよ!!」


僕A(理性)

(共感に満ちた表情で大きくうなずく)

「そう....ですよね!やっぱり!そうですよね!」


僕B(欲望)

(一人隅っこで膝を抱え込み)

「......。おいおい、、勘弁してくれよ...こいつら....」


僕A(理性)

(議長席に立ち、宣言する)

「では、結論。つむは下心なんて一切なしに僕に服と下着を貸してくれた。もちろん僕はその気持ちに答えて下着を履いていく。」


僕B(欲望)

(最後の抵抗で手を挙げる)

「待て待て!せめてその下着_______」


僕A(理性)

(メガネを静かに光らせ、議事録を閉じる)

「これにて脳内会議終了。」


(パタン、と書類を置く音と同時に──)


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

現実世界


(ぱちり──瞼を開くと、視界に広がるのは)

(床に落ちた淡い水色のショーツ)


僕が...つむの下着を着る.....頭では、着てはいけないとわかっているはずなのに...

脳内から命令されているかのように僕の体は動き出す。


足元に落ちているショーツの縁を指先でそっと拾い上げ、ショーツの開口部をつま先に合わせて、ゆっくりと引き上げる。。


右足を通す時、ふと

これが彼女の肌に触れていた布地か、と考えるだけで

喉の奥が熱くなる。


「ふっ...ふぅ。。」


大きく深呼吸をして、心を落ち着けつつ__


シルクの感触が足首、ふくらはぎをなぞり奇妙な感覚をもたらす。


それは、何だかいけない事をしているみたいで。でも、何だかそんな状況にゾクゾクしているような。。。


ウエストまで引き上げる動作の途中で──

ふと、ショーツの正面に縫い付けられた小さなリボンが視界に飛び込んできた。

リボンの表面──つむの指が何度も通しただろうなめらかな感触


ショーツの内側、ほんのり避けているレース__


そして、ふと内側を見た瞬間──


腿にかかる部分に、かすかな


指先が震える。

知ってはいけないものを見てしまったような


心臓がバクバクと騒ぎ、手のひらにはじっとりと汗が滲んでいた。僕はショーツの内側を掴み、ゆっくりと引き上げる。


っっ!?


ショーツがようやくウエストまで引き上げられ、肌に密着した瞬間、今までに無い感覚が全身を駆け巡った。


薄い布地が第2の皮膚のように優しく包み込んでくれる。ウエストのゴムがきつすぎず、緩すぎず__


シルクのひんやりとした感触が逆にクセになりそうで__


そう。。ズバリ、、


良い。。コレ。。

______________________________

推しは、僕C(羞恥)です!かわいい~

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