Episode.4 1話




秀司さんに抱いてと迫り拒否されたあの夜から一夜明け、私はみっともなく部屋に閉じこもっていた。


飽きもせずベッドで声を押し殺しながら泣いていると部屋のドアをコンコンと叩く音と共に秀司さんの声が聞こえた。


『さっちゃん、あの……ご飯』

「……要りません」

『でも、昨日から何も食べていないでしょう』

「お腹、空いていないんです。放っておいてください」

『……』


素っ気なく答えるとやがて足音が遠ざかって行った。その状況が辛くて、苦しくて胸が詰まる。


(やっぱり秀司さんが好きだったのは私が叔母さんの姪という立場だからなんだ)


私自身を好きじゃなかったのだと思い知らされてとても悲しかった。





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