第32話 凍道チャンネル「祟神機関八咫烏スペシャル⑦」
「日本書紀や古事記がおそらく創作であるというのを前提にすると、日本の古代史に関する史料は驚くほど少ないんだよね。たとえば、日本書紀と古事記よりも古い歴史書「国記」や「天皇記(大王記)」は、蘇我馬子と聖徳太子が編纂したと言われているが、大化の改新の時に焼失したとされている。さて、ここで歴史を認知プロファイリングしよう。日本の古代史については、最古の史料が日本書紀と古事記だ。中国の史書だと三国志(魏史)や宋書、他に七支刀の碑文や好太王碑というのがある。七支刀はここでは雑談になるから扱わないけど、七支刀に刻まれた文の読み方でさえ、アカデミアのいろんなしきたりが渦巻いていて、研究は止まってる。他に、高句麗の残した石碑である好太王碑だね。碑文はこんなかんじ」
黒板にWikipediaの文章を表示する
百済・新羅はもと高句麗に服属する民で、これまで高句麗に朝貢してきた。ところが、倭が辛卯の年(三九一)以来、海をこえて襲来し、百済や新羅などを破り、臣民とした。そこで好太王は、三九六年にみずから水軍をひきいて百済を討伐した。…百済王は困って好太王に降伏して自ら誓った。「これからのちは永くあなたの奴隷になりましょう」と。…三九九年、百済はさきの誓約をやぶって倭と通じたので、好太王は平壌へ行った。そのとき新羅は使いを送ってきて好太王に告げた。「倭人が国境地帯に満ちあふれ、城を攻めおとし、新羅を倭の民にしてしまいました。私たちは王に従ってその指示をあおぎたいのです」と。…四〇〇年、好太王は歩兵と騎兵あわせて五万の兵を派遣して新羅を救わせた。その軍が男居城から新羅城に行ってみると、倭の兵がその中に満ちていたが、高句麗軍が到着すると、退却した
「倭国は400年頃、百済や新羅を破り、倭国の臣民とした。高句麗の王はこれを攻め、倭国を撤退させた、とある」
『こんなのあったんだ』『手搏図じゃなくて?』『はえ~でも古事記とちゃうね』
「おそらくこの400年頃の、百済や新羅を一時は支配するほどの勢力だったのが古代倭王国だったのだと思う。古事記だと百済と新羅を下したとあり、日本書紀だと高句麗も下したことになっている。好太王碑が事実だとすると、おそらく日本書紀は嘘で、古事記が真実だろうね。”古事記は創作だが、元にした事実は日本書紀よりも正確”じゃないかと思う。日本書紀が先にあって、あとから古事記を何者かが追加で作ったという説があるわけだが、おそらく後世の朝廷(天皇)だろうね。藤原氏が歴史を書き換えて神話を創作し、日本書紀として完成させたのを見た朝廷は、さらに歴史を書き換えたんだよ。それが、本当は日本書紀のあとに作られたとみられる古事記。歴代、特に中世頃の朝廷は意図的にこの偽史を、日本書紀よりも最古のものとして広めたのではないかな」
『あーまたアカデミアの席が今1席消えましたのだ』『これは皇室に喧嘩うりすぎであるww』『宮内庁「なんだぁ?てめぇ」』『殺す』『これ大丈夫?』
「なんか物騒なこと言ってる人いるね、ブロック、と。さて、好太王碑の碑文と対抗するには、古代の日本の石碑を調べればいいと思わないかい?ところが、日本の石碑のうち、最古のものでも700年頃からのものしかないんだよ。中国なんて紀元前から石碑がある、さっきの好太王碑も414年のものだ。当然、石碑の考えは日本にも伝わっていたはずだ。なのに、日本の最古の石碑は700年頃。これさあ、700年頃に日本書紀と古事記という偽史書を生み出した時にさあ、それより前の都合の悪い書物や石碑までことごとく破壊したでしょ。朝廷が。それ以外に説明つく?邪馬台国の位置がわかんないのもさ、その時代、200年~600年代の歴史に関する石碑とかが一切残ってないからじゃん?そんなの、当時全部破壊されたと見るべきじゃない?」
『はい、今アカデミアの席がまとめて吹き飛びました』『ちょwwwおまwww』『そう説明されるとそうかもしれないと思えるけど……』『こんなこと言う奴が大学で研究しようとしてたってマ?』
「こういう違和感から説明するのが俺の認知プロファイリングなんだよね。石碑こそ時代を超えて歴史を残せるものなのに。この日本って国だけ、少なくとも400年頃に石碑が残ってる朝鮮半島の国と交流はあったのに、700年まで石碑が残ってないっておかしいじゃん。俺は、日本書紀という偽史が成立した720年頃に、この国の歴史を記した書物や石碑は朝廷により破壊され、歴史がぬりかえられた、そのせいで古代日本史は謎に包まれているのだと思うし、邪馬台国の位置すら確定できないんだと思うよ。アカデミア最大のタブーだろうね、日本書紀と古事記は」
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