第23話「古今の融合」



「よし、みんな!最高の料理を作り上げましょう!」


一郎の声に応えるように、世界中の料理人たちが動き出す。

水晶の不安定な光と、古代の歌声が響く中、それぞれの技を振るう。


「くしゅん!」

エマの虹が、暴れ始めた食材たちを優しく包み込む。


「私も!くしゅん!」

リリアの星が加わり、食材たちの動きが少し落ち着く。


「理論的には」フェリシアがノートを広げる。「古代の魔力と現代の技術を組み合わせれば...くしゅん!」


蝶の魔力が舞い、なぜか食材たちがバレエのような優雅な動きを始める。


「おや?」学院長が面白そうに。「思いがけない化学反応ね」


トマトがピルエットを踊りながらソースに。

キノコがペアダンスを踊りながらスライスされていく。


「Mon dieu!」フランスの料理人が感激。「これこそ、料理のアート!」


しかし突然、水晶から強烈な光が。


「危ない!」ガストンが叫ぶ。「魔力が暴走を...」


その時、古代の歌声が大きくなる。

そして、まるで応答するように。


「くしゅん!」

「くしゅん!」

「くしゅん!」


世界中の料理人たちの魔力くしゃみが、一斉に起こった。

星、虹、花びら、龍...様々な魔力が交わり、巨大な光の渦を作る。


「見て!」エマが指差す。「水晶が...踊ってる!」


確かに水晶は、まるでワルツを踊るように宙を舞い、光の渦の中心へ。


「これは」学院長の目が輝く。「古代と現代の魔力が共鳴して...」


突然、広場全体が光に包まれる。

そして現れたのは...。


「わぁ...」一同が息を呑む。


巨大な魔法陣が空中に浮かび、その周りを食材たちが秩序正しく回る。

まるで、料理の惑星系のよう。


「これぞ」リリアが感動的な表情で記録を取る。「古今の調理法の結晶...くしゅん!」


新たな星が加わるたび、魔法陣はより鮮やかに輝く。


「さぁ」一郎が包丁を構える。「最後の仕上げを!」


世界中の料理人たちが、それぞれの技を振るう。

古代の知恵と現代の技術が、見事に調和していく。


しかし...。

水晶の中で、また新たな光が蠢き始めていた。


「ふふ」学院長がつぶやく。「いよいよ、本当の実験の時間ね」


誰も気付かない。

彼女の目が、不思議な色を帯びていることに。

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