第2話 詩乃
「ねぇ、ごめん。詩乃、それを取ってもらえるかな?」
高校1年生の
「あ、はい。これ」
「詩乃、
「ご、ごめん」
「詩乃ちゃん、気にしないで。全然大丈夫」
香乃は細かいところをすぐ指摘する。想汰にすぐにフォローしてくれて心救われた。誰にでも優しい。
「ありがとう」
詩乃は、頬を赤くして返答した。香乃はその反応に面白くない顔をする。
「想汰、向こうの駅着いたら、公園よっていこうよ」
「あ、うん。いいけど、詩乃ちゃんは?」
「いいよ。2人で行っておいで。私は1人で大丈夫」
「当たり前だよ、たまには2人にさせてよね」
「香乃、そういうこと言うなって、姉ちゃんだろ。大事にしろって」
「えーーー、ひどい。私は想汰と2人になりたいだけなのに」
「ごめんな。詩乃ちゃん」
「うん、大丈夫。ありがとう。想汰くんは香乃のことを大事にして」
詩乃の心の中が、涙でだだ漏れだ。
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