小雪の家でお泊り

「それではホームルームを終了する!気を付けて帰るようにな〜」


 担任の教師がそう言うとクラス内は一気に騒がしくなる。


「月ちゃん!一緒に帰ろ!」


 小雪は嬉しそうに駆け寄ってくると、私の手を取った。


「うん、帰ろうか」


 私がそう答えると小雪は嬉しそうな表情を浮かべてぎゅっと手を握り締めてきた。 私もそれに応えるように握り返す。

 私たちはそのまま手を繋いで教室を出た。そして校門を出て帰り道を歩く。


「今日は楽しかったね」

「そうだね、小雪の活躍が凄かったよ」

「えへへ……ありがと……」


 私は素直な感想を言うと小雪は照れたように笑った。その表情はとても可愛らしく、思わず見惚れてしまうほどだ。

 そんな会話をしながら歩いているといつの間にか分かれ道に差し掛かる。ここからは帰り道が別なので一旦ここでお別れだ。


「じゃあまた後でね!」

「うん、また後で」


 私たちは軽く手を振り合ってからそれぞれの道を歩いていく。今日は金曜日なので、明日からは休日だ。なので私たちは今日小雪の家でお泊まりをすることにしていた。


「楽しみだなぁ……」


 お泊まり会を楽しみにしながら私は自宅へと戻るのだった。



 ◇



 そして、あっという間に時間は過ぎて夜になり、私は小雪の家の前にいた。インターホンを押すと、中からパタパタという足音が聞こえて来てドアが開かれる。


「いらっしゃい、月ちゃん」


 小雪は笑顔で出迎えてくれる。その笑顔はとても可愛らしくて見ているだけで癒されるようだった。


「お邪魔します」


 私はそう言って家の中に入った。そして、そのままリビングへと案内されると小雪はキッチンの方へと向かい冷蔵庫の中からジュースを取り出して戻ってきた。


「はいこれ」


 そう言って小雪は私にオレンジジュースを渡してくれる。私はお礼を言って受け取ると早速一口飲んだ。冷たい液体が喉を通る感覚がとても心地良い。


「月ちゃん、今日は何する?」


 小雪が期待に満ちた眼差しで聞いてくるので少し考える素振りを見せてから答えた。


「そうだね……まずはゲームでもしようかな?それとも何かしたい事とかある?」


 私が尋ねると小雪はうーんと唸りながら考えて始めた。その様子はまるで小動物のようでとても可愛らしいと思う。


「じゃあ、まずはゲームしよう!」


 小雪は笑顔で言う。どうやら特にやりたいことがあるわけでは無く私と同じでただ単に遊びたいだけのようだ。私たちは早速準備を始めるのだった。


 そして、しばらくした後……、私と小雪はコントローラーを手にテレビの前に座っていた。画面には可愛らしいキャラクター達が動いている。


「やった!私の勝ちだね!」

「あ〜負けた……」


 小雪が嬉しそうにはしゃぐと、私は少し悔しそうな表情を浮かべながらも素直に負けを認めることにした。そして再びゲームを始めるが、今度は私が勝った。


「月ちゃん強いね……」

「ふふ、ありがと」


 小雪は少し驚いた様子で言う。私はそれに笑顔で答えた。すると小雪も笑顔になるのだった。その後も私たちは色々なゲームを楽しんだり雑談をしたりして過ごした。そして時間はあっという間に過ぎていくのだった……。

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