ちょっと転生?!令嬢してみた件
しば耳
第1話
今日から高校生活が始まる─。
私の名前は瑠愛(ルナ)。
まさかこの生活に戻ってこれるなんて予想すらしていなかった。
嬉しさ半分、寂しさ半分。
でも、誰かの人生では無く私だけの人生だもん。
思う存分謳歌してみせるんだから!!
教室へ入ると「瑠愛─!!」瑞稀(ミズキ)が抱きついて顔を擦り寄せてきた。
「あぁ─ハイハイ。」私は右手で瑞稀の顔を剥がした。
「お前らも飽きへんなぁ(笑)。」何故か関西弁の幼なじみ裕太(ユウタ)はケラケラと笑いながら近付き私の頭を軽くポンと叩いた。
「もう!またそうやってガキんちょ扱いしないでよね!!」とプンスカ怒ってみても、身長が190cmの裕太からすれば160cmで女子では高い方とはいえガキんちょ扱いできる材料のひとつなのであろう。
『本当は異世界で結婚も出産も経験したなんて言えないもんね…』私は心の中で呟いた。
そう、私は自転車事故で意識不明の間 異世界で10年も過ごしたのである。
─と言ってもこっちの世界ではたったの3日間だったことにも驚きだが異世界に転生したのに私は死んでいなかった事が一番の驚きだった。
しかもこの私が令嬢だったなんて誰も信じてくれないだろうなぁ〜。
だって我が家は代々、武道家で私はこの歳で空手と剣道が師範だし退屈だから少し前からキックボクシングも始めたんだよね。
だから転生した時は大変だったなぁ…。
だって女の子らしくなんてした事なかったし(汗)。
でも何故か?このお陰で結婚までしちゃうんだもんなぁ〜。
人生わかんないもんだよね。
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