不完全ラヴァーズ

烏海香月

第一章 腐れ縁の彼

第1話

──この世の中に『自分は完璧だ』といえる人が一体どれだけいるのだろうか




「ねぇねぇ、香村さん」

「はい」

「香村さんってさ、ひょっとしてジュジュだったりしない?」

「……え」

「ほら、ファッション誌のKILAの専属読モだった」

「……」

「なんかすっごく似てるんだけど、そうじゃ──」

「ごめんなさい。よく似てるっていわれるんですけど違います」

「えっ、そう?」

「そうです」

「そうかなぁ、すっごく似てるんだけどぉ」

「三内さん、ジュジュ、好きなんですか?」

「好きか嫌いかでいったら好き。わたし読モチェックするのが好きなの。ちょっと毛色の違う子見つけたりするのが趣味で」

「……そうなんですか」


毛色の違う──といった彼女の言葉に少しだけ面白さを感じた。

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