第2話

キンコーン♪


「……」


キンコーン♪


「……」


キンコンキンコンキンコーン♪♪♪


「~~~あ゛ぁぁぁ、煩いっ!」


鳴り止まない玄関のベルによって浅い眠りを彷徨っていた頭は完全に覚醒した。


「何? なんなのよ、こんな朝早くからっ!」


怒りモードほぼほぼマックス状態でベッドルームを抜け出し、未だに鳴り止まないベルの発生源である玄関へと向かった。


「煩い! 何度鳴らせば気が済むのよ!」


怒りのままに飛び出た怒号と共に勢いよく開け放たれたドアの向こう側には見知らぬ男が三人立っていた。


「あぁ、大変申し訳ありませんでした。もしかしてお休みでしたか?」


三人の男の内、真ん中に立っていたやけに身なりのいい男がにこやかな笑顔でそう言った。


「寝てるわけないだろう? もう昼過ぎだぜ」


三人の男の内、右端に立っていたやけにワイルドな感じの男が呆れながらそう言った。


「……あ、ちょうちょ」


三人の男の内、左端に立っていたやけに顔のいい男が間の抜けた声で飛んでいる蝶々に向かってそう言った。


「……どちらさま?」


私は不機嫌な声で訊ねた。


「申し訳ありません。とても込み入った話をしなければならないので出来れば中に入れていただけると有難いのですが」


真ん中の男が恐縮そうにそう告げた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る