69歳でも、BL。〜おじいさまは、いくつになっても恋をする〜
葵れいす
第1話 おじいさまも恋をする。
「人生百年時代か〜」
そう言いながら、
今年の四月に六十九歳の誕生日を迎える
おじいさまでもびーえる、ボーイは過ぎたがラブはしている。パートナーは十二歳下の
正木は身長が百七十センチほどあったが、自然の
地元である横浜のシニアボランティアセンターで二人は運命的に出逢った。ボランティア先は二人とも同じカトリックの幼稚園に決まった。子供たちは元気でエネルギッシュで、ボランティアしているシニアたちのエネルギーをあっと言う間に吸い取った。
そんな中、正木は最年長にも関わらず子供たちの
遊び相手に積極的になっていた。一番熱心だった。
・・・・・子供たちに一番遊ばれていた事もあるが・・・・・
それでも正木は子供たちを背中に乗せてあげたり、絵本を読んであげたり、鬼ごっこしてあげたり・・・・・。熱心な正木に、すっかり修己は心を奪われた。
修己からの積極的・・・・・かつ執念深いアプローチを受け、正木は折れた。こうして二人は付き合う事になった。籍は入れてはいない。正木は娘、修己は孫までが居るので遺産相続などが面倒なのだ。
おじいさんが、まして男と付き合うとはどうかと
思っていたが、娘に
「今どき男同士とか普通だよ!?そんな考えじゃシーラカンスになっちゃうよ!」
と、アドバイスをされた。
シーラカンス・・・・・絶滅した魚か。確かに脳内は昭和の頑固親父といったところだ。しかしシーラカンスとは。こんな頑固な考えの人間は消滅するのか。いや、時代の流れだ。多様性だ。
正木は妻と死別してから、一人娘の
修己は妻と離婚して息子が二人いるが定期的に息子とは会っているようだ。修己がバイである事を家族は知っているので、後に正木の話もしたいと言われ、正木は思い切り遠慮して恥じらった。
あまり深く考え込まずに修己と付き合い始めた正木だが、家事全般が得意な修己は、お弁当を作って持ってきたり、家事を手伝いに来たりと積極的で熱心だった。献身的な彼に心を奪われていた。
・・・・・と、言うよりも、胃袋を奪われたのである。正木は料理がまるで駄目だった。米を炊けばおかゆになり、魚を焼くと丸焦げ、肉は煮ても固く野菜は茹でても
そんな正木のある意味センスのある料理を見た修己は、『苦手な物は誰にでもあるよ』と
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