第35話 公爵家ご婦人の誕生日会へ
今日は公爵家ご婦人の誕生日会が開催される日です。
何十年も前から続いている恒例行事ですね。みんなで着飾って参加して、美味しいお料理を堪能したり、楽しいイベントで盛り上がったりする楽しい行事です。
王都にいる貴族はできる限り出席するのが暗黙の了解ですので、私ももちろん出席しますよ。
なので私、いつもよりも気合を入れてくるくる縦ロールをセットしました。バッチリ決まって抜群に可愛くなれたと思います。
ドレスはキラキラと上品に輝く赤いドレスを選びました。肩を大胆に魅せているのが特徴です。
時間をかけてお化粧をして、こんな日のためのとっておきのイヤリングとネックレスをつけました。
最高に着飾った私の完成です。
誕生日会にはアリーナと一緒に行く約束ですので、ひとまずアリーナの家へと行きました。執事さんやメイドさんに「お綺麗ですよ」とたくさん嬉しい言葉をもらいながら、アリーナの部屋へと入っていきます。
「アリーナ、準備はバッチリですかー?」
「ちょ、ちょっと待って……」
アリーナは化粧台で鏡を見ながらお化粧をしている最中でした。
彼女のコーデは青い上品なドレスですね。ところどころにあるお花の装飾が美しいです。髪にもお花の髪飾りをつけています。さすがアリーナです。センスが良いですね。
アリーナがお化粧を終えて振り返ります。
「クルクル、お待たせー」
「アリーナ、美の女神が嫉妬しそうなほどに美しいですよ」
「ありがと♪ 素敵な嫁入り先を見つけるチャンスだからね。はりきっちゃった。クルクルも最高に綺麗よ」
「それ、もう少し語彙力を増し増しで言うと?」
「誕生日会のヒロインはきみだーっ」
「とっても嬉しいですわっ!」
二人でニコニコします。本当に今日のアリーナはとても美しいです。素敵な男性とめぐり会って、本当に花嫁さんになれるかもしれませんね。
公爵家ご婦人の誕生日会にはダンスにまつわる素敵なジンクスがあります。その誕生日会でダンスを踊った二人は末永く続く幸せな結婚ができるというものです。
「もしかして、アリーナはダンスのお誘い待っています?」
「いや、それは恥ずかしいから私は遠慮したいけど」
「せっかく素敵なジンクスがありますのに」
「だって、みんなが上品に過ごしている中でさ、二人でダンスを踊るのって恥ずかしくない? 絶対に注目の的になっちゃうでしょ」
「……でも、もしも素敵な男性とダンスができたなら、その場にいる全ての人たちが祝福してくれますわよ。そしてイヤでも結婚する流れに持って行かれると思います」
「あははははっ、踊ったが最後、たしかにそうなるかもねー」
「では、アリーナが素敵な男性と踊れるよう、祈っておきますね」
「じゃあ、私もクルクルがイケメンからダンスに誘われるように祈っておくわ」
「私は別に――」
婚約破棄をされたばかりですし、誘われてもきっとお断りします。私は結婚なんてしばらく考えたくないですからね。
今日は美しいアリーナが素敵な男性とめぐり会えるよう、私はこっそりとサポートすることに徹しましょう。
「ちなみにアリーナ、あの誕生日会で実際にカップルが誕生したことってありますの?」
「昔はちょいちょいあったらしいよー」
「へえー、あるんですね。私の記憶では、けっきょく毎年、美味しいものを食べてイベントをとことん楽しむだけで終わってしまうような記憶なのですが……」
「まあ私たちの世代ではそういう認識になるよね。親の世代だとけっこうダンスをする人がいたみたいだけど――」
二人で時計を見ます。そろそろ会場に向かっても良いくらいの時間かもしれません。
ちょうどメイドさんがやってきて、「そろそろお時間です」と伝えてくれました。アリーナのご家族は既に会場に向かったそうです。
アリーナが私を見ます。
「それじゃあ、クルクル。行こうか、良い男をゲットしに」
「ゲットできなかったら、二人でダンスを踊りましょうね」
「うわー、女の子同士でそれをやっちゃったら、婚期が遅れそうー」
「そのあと二人で美味しいものをやけ食いしましょう」
「それも楽しいかもね」
準備は万端。私とアリーナは二人で仲良く、誕生日会の会場である王城の大広間へと向かいました。
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