20話 カードテイマー講習 講義前準備編

「さて、ようこそ、僕の島へ」


フードを取り、ようやく一息をつく。ああ、やっぱり覇王口調は疲れるわ。そういうキャラにしてた自分が悪いけどね。


『えっと?』


「あれは作ってたキャラクター、そういう事。皆さん程のベテランなら分かると思うが、スパイが居たかもしれないからね」


『ああ、転移者の街』


納得して頂けたようで何よりだ。というか、納得されるのはそれはそれである意味、それぐらい周知される事をやってくれたなあになるから複雑である。


「まずは宿泊先は看板が付いてない家ならどれを使ってくれてもいい。荷物を置いて来てくれ」


は?って顔されるけど、島民、今はまだ大工さんだけなんだよね。そっちは迎賓館の方使って貰ってるし。まあ、完全にあげるって訳じゃないから、所謂、前の世界で言う所、期間限定のレンタルハウスって所かな。まあ、あわよくば島民になってもらうとかホームとして使ってもらう目論見もあるけどね。


「組み合わせは賢人の瞳パーティ5人で一つ、カエデさんとローザさんで一つ、グゥインさんで一つで良いかな?」


『アッ、ハイ』


「じゃあ、今日はもう夕方近いので解散。選んだ家に荷物を入れてくれ。ベッドはあるが掛け布団はないから、各自持ってきたマントや掛布団を使ってくれ。明日はこの場所に朝集合、その際に家の看板にある木札を取って持ってきてくれ。それで登録する以上だ」


しばらく戸惑っていたようだが、そこは流石にギルドメンバー、それぞれが行動を開始したようだ。しかし、まあ、なるほどねえ。いやはや、色々しなくてはならなくなったようだ。



「その情報が本当なら、しばらくは私達はセーフハウス内で生活が良いでしょうね」


「明日次第になるが、恐らくは悪い事にはならないと思う」


あの後、セーフハウスもといダンジョン内の我が家に戻り、とある事を2人に伝えたのだ。渋面を作る2人だが、まあここまでの内容が内容だったからね。どんな内容だったかって?


「先にも言ったけど、おそらく検証チームとカエデと言う少女はだ」


こう言う事である。カエデと言う如何にもな日本人名の娘はともかく、検証チームは何故かって?何故、転移者と断じるのか分からない?そりゃ、簡単だ。


「いや、ぶっちゃけね、カエデって娘は今まで見つからなかったのもあるし、カードテイマーで、こう言ったらまずいかもしれないが、あの体で性的暴行やその手の扱い受けてないのはおかしい。検証チームに至ってはっていうんですってならないか?普通ならその手の学院みたいな所に所属してるだろ?」


『ああ・・・』


前者も後者もこれほど考えれば分かりやすいって酷くない?さて、こうなるとどうするかだけど・・・


「まあ、指導は変わらない。いや、すでに手は打ってあるんだ、実はね・・・」


自分の小細工を2人に言ったら、やはりドン引きされた。解せぬ・・・


【もう諦めて、解しましょう、マスター】


ぐはあ!裏切ったな、相棒!!!

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