第七話

ガヤガヤ……

ガヤガヤ……


「俺たち以外にもわりといるんだね」


次にやる講習のために移動した部屋の入り口で俺達は部屋のなかにいた人数に驚いていた。

(部屋とは言うが大学の講義室くらいの広さ)


「とりあえず座ろう?席は五席間隔であるみたいだし……

マジカの五人ずつはグループ分けの意味もあったんじゃない?」


中を見渡し俺達は五席間隔で区切られている席の真ん中あたりに腰を下ろした。


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

「あれ?インキャくん?おいおい俺たちに挨拶なしか?」

「あっ……鷹司くん」


談笑しつつ少したつとなにやらきなこが通りかかったグループに絡まれ出した。

グループのうちの数名がニヤニヤと親しげに話しかける。

しかし言葉が詰まりぎみでうつむくきなこ。どうみてもなかはよろしくない様子


「あれ きなこ知り合い?

てか顔色悪いけど大丈夫か?」


両者の温度差が気になりきなこに話し掛ける俺達は。


「あぁ?関係ないヤツは引っ込んでろよ」


どうやらそれが気に入らない様子の鷹司少年

鷹司は心配してきなこに寄り添うくぅ君に凄んできた


「はーい、いただきましたぁ“関係ない”発言

あのさぁ、いきなり絡んできて自分だけ楽しくなろうとかサムいんだけど?」


「あはは、確かに 空気呼んでくれないかなぁ?

声大きいし控えめに迷惑なんだけど?」


「なっ……」


まさか反論されると思ってなかったのか?しかも女の子に

顔を赤くして言葉を詰まらせる


「栞さんも鈴音さんも落ちつきなよ。喧嘩しても損にしかならないよ。

きなこの知り合い?よろしくな!」


「くっ……いこうぜ」


うーん空気が悪くなりそうだ。とりあえずみんなを宥めた俺は鷹司のグループに挨拶をした。したんだけど……鷹司たちは少し罰の悪そうに離れた席に座った。


その後すぐに講習ははじめられた。

自分達は今日から保持者(ホルダー)の仲間入りを果たし迷宮(ダンジョン)への探索資格を得る。

様々な迷宮を踏破(クリア)し依頼(クエスト)を達成しランクをあげて発展に貢献してほしいと

しかし、一番は恩恵や職業で絶望も差別もせず受け取った自分自身への贈り物(ギフト)と向き合って大切にしてほしいとのことだった。


「退屈な時間でしたかね?

とにかく、問題を起こしても皆さんはまだ責任を負える立場にはいません。恩恵に関してはなおのこと

自身が誰かに迷惑を掛けてしまえばそれは必ず自分ではない誰かに返ってきます。

それを防ぐ為にも決して軽はずみな行動は控えましょう。

私からはここまで、少し休憩を挟んだら運動場に集合してください

それではお疲れさまでした。」


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