触10・触手さん点火する

「撲殺触手ぴびるび~...エスカルボルァ!!!」


ゾンビが石の鈍器で頭を粉砕され、地面に倒れる。

そしてそれを引きずっていく私。


ドーモ、ドクシャ=サン、ゾンビスレイヤーです。

何でこんなことしてるかって~とですね、この前火打ち石を手に入れたでしょ?んで、乙女汁で物を固定出きるようになったじゃない?

あれが作れるんですよ、コンロが。コンロつ~のはガスの噴出口と着火する物、んでガス燃料があればいい。


コンロの構造は、ゾンビを発酵させる発酵槽、

その横にガスを溜めておくガス槽、その上に着火口がある。

発光槽とガス槽の間は仕切りがしてあり、着火中はゾンビにまで火が回わらないように閉めておく。

着火口も使わないときは蓋をしてガスが逃げないようにする。


このコンロ作るのに一晩係りました。洞窟の中だから朝なのか夜なのかは知らん。


で、その燃料を確保する為にゾンビ狩りの真っ最中。

拠点までズルズル引っ張ってきて頭が無くなったゾンビを発酵槽に押し込む。

中には既に数体のゾンビを入れてある、これでメタンガスを自然生成する。

とっくに腐ってるので腐敗ガスの発生もかなり早いはずだ。


「ふ~、まあこんなもんでいいか」


発酵槽をしっかり閉めて、ゾンビで汚れた触手と鈍器をお湯で洗う。

綺麗スッキリしたところで冷やしておいたスライムをグビグビ、あ~労働後に頂く冷スライムは堪らんなぁ~。


さて少しはガス溜まったかな、試してみますか。

テストなんで火が点くかどうかだけわかればいい、さてさて...


発酵槽の仕切りを閉め着火口を開け、火打ち石を打つ。ボっと火が点いて暫くすると消える。

よいよしいいじゃない、後はガスが充分貯まれば問題なく使えるはずだ。

正直、木材が手に入ればコンロ作る必要もとくに無かったんだけど、洞窟の中のせいでどうにもならない。

外への出口もさっぱり分からんし、あのゴブリンの後追えればもしかしたら出られるかもしれんが。


コンロの動作確認も終わったし、後はこれで何か焼きたいところなんだが...

スライム焼いてもなぁ...ゾンビは論外、そもそも腐ってる。

あのゴブリンも不味そうだしなぁ...


あ~肉...肉食いてぇ~、スライムだけは流石に飽きる。

どっかに美味そうなの無いかな~、洞窟でもキノコくらいはあってもおかしくないんだけどな~。


まあ、探索中に何か見つかるだろ。

ちと疲れたし風呂入って寝ようっと、冷やしてるスライムも減ってきたから後で補充しとかんと。

ほんとスライム頼りだな現状、やたらあちこち居るから助かってるけど。


スライムに感謝。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る