触2・触手さんは腹が減る
水溜まりにずりずりと這いずっていく、しっかし移動遅いな、杖ついたお年寄りくらいの速度なんだけど...
なんとかそこに辿り着き水溜まりを覗きこむ、薄暗くてあまり良くは見えないが、それでも多少は反射して私の姿を映し出す。
「なんじゃこりゃあぁぁぁぁぁ!!?」
三度目の絶叫、相変わらずの詰まった声を上げ私は絶句した。
そこに映し出されたのは見るも醜悪な塊、
海牛の様な物から何本もの触手が生えた姿、海牛と磯巾着が合体した、そんな感じか。
何でこんな姿に...?私21歳の見目麗しいOLなんですけど?
顔(?)をぺちぺちと叩きながら眺めていると、ふと気がつく。
...はて?この塊どっかで見たような?
...あ、あれだ、寝る前にやってたゲーム、あれに居る触手さんじゃん!!
触手さん、それは純愛触手ゲーム『触手さんとショタ王子様ぬるぬるぐちょぐちょ編』に出てくる主人公である。
あの触手さんにそっくりだ。
そっくり、つまり完全に一致している訳ではない。
一つ目、触手の数が違う、触手さんは9本だが私は10本。
二つ目、色が違う、あっちは緑なんだがこっちはピンク色。
最後に、触手さんには目のようなのが無いのだが、
私には、先端に丸い物が付いている短い触手状の物体が二つ、触手に紛れて生えている、これが目のようだ。
う~ん、いやね?私好きですよ?触手。触手×ショタ物大好きで買い漁っていましたよ?
でも別に触手そのものになりたい訳じゃないんだよぉぉぉおおお!!!
可愛いショタとイチャイチャまぐわりたいとは思うが。
いや本当、何でこんなことに...いや考えても答えは出ないか。
とりあえず現状分かったことは、ここは知らん洞窟の中で、私は触手ということ。
う~ん、とりあえずここにずっと居ても何も解決しないし、周囲を探索でもしてみようとするかな。
お腹も空いてきたし何か食いたい、てかここ食い物有るんだろうか...
身体をずるずる這いずらせ、私はゆっくりと移動を開始した。
あ~動くの遅っそい、なんとかならんかなこの遅さ。
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