初配信②

配信で俺が使える武器としては一つは男であること、そして前世の記憶である貞操概念が、周りとは逆であることだ。

宇宙人という設定も失言などで誤魔化しに使えるし、これなら掴みにも使えるだろうと考えていたが、予想通りだった。


:男女比1:1ってどういうこと?

:男女の人口が同じってこと

:それで何か変わるん?

:馬鹿ッ!全然違ってくるだろ!


「そうだねー、例えばだけど…ボクの星では外を歩けば普通に男とすれ違うし、学校行ったり仕事もしてるよー」


:何その夢の国


阿鼻叫喚となったコメント欄に笑っていると、一つのコメントに目が止まった。


:アオくんは何で配信を始めたの?


「お!いい質問来たね!

ボクが配信始めた理由はね、この星を征服するための調査なんだよー」


:ふぁっ!?

:何て!?

:いきなり物騒で草

:だがアオきゅんの敗残兵なら悪くない

:逆にアオくんが捕虜に出来れば?

:閃いた!

:薄い本が厚くなる

:うっ!ふぅ…


「え〜?みんな、反抗するの?

こっちはほとんど男の兵士だよ〜?」


:なん、だと…!?

:私、捕虜でもいいや

:私も

:むしろ捕虜がいい!

:マゾが多くて草

:終わってんな、この国

:私は断固として返り討ち派なんだが?


「という訳で、この配信を通じてこの星の文化を体験、調査をしながらみんなと遊びたいってのがボクのお願いです!

みんな協力してくれるかなー?」


:了解なり!

:喜んで!

:私のことならなんでも教えてあげるが?

:私もスリーサイズ教えるよ!

:さっさとその汚ねぇモン仕舞えよ


自己紹介としてはこんなものだろうか?

時計を見るがまだ少し時間がある。


「じゃあ次はみんなが何か質問あればどうぞ!

時間内で答えられる質問なら答えるから!」


コメント欄に次々と質問が書き込まれていく。

時間内で全てに答えるのは無理だろう。

どこかのタイミングで、質問枠みたいな配信してもいいかもしれないな。


:彼女、奥さんは何人いますか?


「1人もいないでーす。

ボクの星では1人の相手としか結婚しないんだよねー」


:え?それ大丈夫なの?

:そっか、人数が同じなら溢れないのか!

:仮想のことだと分かっていても辛いんだが?

:ゲーム配信しますか?


「するよー。オンラインもするつもりだから、その時はよろしくねー」


:好きなタイプを教えて!


「とくにこだわりは無いけど、一緒にいて安心出来る人はいいよね」


:私じゃん

:なんだ、私のことか

:勘違い多すぎwww私だからw


そこでちょうど時間となった。

俺は締めの挨拶に入る。


「ハイ!そろそろいい時間になったので、初配信はこの辺で終わりたいと思います!

最後まで観てくれたみんな、本当にありがとう!次の配信でもみんなに会えるといいな、またね〜」





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