ゲーム転生『異世界カウントダウン』~勇者召喚された俺、ゲーム知識で最強を目指す~
空花凪紗
12/5 勇者召喚
俺はいつものように朝学習の時間に教室で勉強していた。だから今、俺は教室にいないとおかしいんだ。なのに目を見開くとそこは神殿のような建物の中だった。
「勇者様。よくぞお越しくださいました」
変なことを言う神官のような格好の美少女がやけに俺に向かってペコぺコしてきた。白髪ボブで、あどけなさの残る可愛らしい顔立ちの少女だった。
「勇者? 俺が?」
「左様でございます。あなた様は異界の地より召喚されたのです」
「召喚って」
てことは俺、よくラノベである異世界転移をされたのか。てか、この神官の美少女どっかで見覚えがある。確か聖女ノエルだ。これ、ゲーム『異世界カウントダウン』の世界なんじゃないか? 俺はとにかく美少女神官に訊く。
「呼ばれたのには理由があるんですよね?」
「はい。今から説明します」
神官美少女が言うには、この異世界オリエンスに終末の危機が訪れているという。それは古くからある預言書に記された予言なのだとか。カウントダウンは残り26日だという。カウントダウンがあるのはゲームとほぼ一緒だ。ゲームでは365日の猶予があったが何故かこの世界はもう26日しか残されていないらしい。
今は皇歴2024年12月5日だという。
今日から数えて26日目は12月31日。
皇歴2024年12月31日が世界終末日なのだとか。
そしてその危機から脱するために勇者召喚をしたという。
「魔王が復活してより一年。世間では魔王が世界を終わらせると考えられております。ですので勇者様。どうか世界が滅亡する前に魔王を撃ち滅ぼしてください」
「えっと、それはいいんだけどさ。俺戦闘に向かないよ? 戦争のない平和な時代に生まれたから、戦い方も知らないしさ」
「その点は大丈夫です。勇者は転移の際何らかのジョブとスキルを習得します。ステータスと呼んでみてください」
「おっけい。ステータス」
すると俺のステータスが目の前に現れた。
魔力の欄があり、俺は魔法を使えるらしい。
ジョブは勇者だった。レベルは1。これからだ。
「魔法が使えるのか?」
「はい。この世界には魔法があります。勇者様も魔法を使えるはずですよ」
「で、俺は具体的にどうすればいい? 魔王を倒すにもレベル1じゃ無理だろう?」
「その点は大丈夫ですよ。強力な助っ人を用意しておりますので。では勇者様はしばらくお部屋で休憩してください。今から案内します」
俺は神殿から連れられて王城の客間に通された。待っている間にステータスを確認する。スキルに『ブレイブハート』というものがある。これは一分間全ステータスを倍にするスキルのようだ。他にも魔法も使えるらしい。『大賢者』というスキルによって全魔法が使えるらしい。ただレベル1だから魔法を放つに足りる魔力がまだないようだ。
部屋の扉がこんこんとノックされる。
「いいよ入って」
俺の返事を聞いてドアが開いた。白髪ボブの神官ノエルに連れられてきたのは二人の美少女だった。ゲームでは44人いるNPCの中からランダムに二人のNPCが決まってチームに入る設定だったっけ。
「勇者様、今から助っ人となり勇者様と一緒に冒険をすることになる二人を連れてきました。一人は大剣豪のジョブを持つイリス・メークリンさんです。そして、もう一人が聖女のジョブを持つビエラ・ノートンさんです」
「イリスよ。よろしく」
「ああ、よろしく」
イリスと名乗った長身の女は俺の元まで来ると握手を求めてきた。俺はそれに応えて握手をした。赤毛のセミロング。勝気な様子で自信に満ち溢れているのが感じられる。
「私は大剣豪レベル99だ。世界屈指の剣術士だ」
「そうか。大剣豪ね」
大剣豪は強ジョブだ。剣士系ジョブの中では三番目に強い。一番が剣神、二番目は剣王だ。レベル99ならば転職すればいいのになんでしてないんだろう。疑問に思った。
「私はビエラです。職業は聖女です。よろしくお願いします」
「ああ、よろしく」
聖女も強ジョブだな。大聖女、神聖女と二回転職ができる。
「あなたの名前は?」
「俺? 俺はケント。よろしく」
ビエラとも握手を交わす。ビエラは黒髪ボブの可愛らしい少女だった。どこか自信なさげである。
「では魔王打倒の旅に行ってらっしゃいませ」
神官美少女が俺たちを見送る。俺たちは王城を出ると話し合いを始める。
「さぁ、先ずはレベル上げしたいけど、その前に二人の転職からだよな」
「転職? 何のこと?」
イリスが首をかしげる。
「私も何のことかわかりません」
ビエラも腑に落ちない様子だった。
「え、二人とも転職知らない?」
「はい」
「知らないわよ」
「ギルドにないの? 転職の鏡」
「就職の鏡ならあるけれど」
もしかしてこの世界、転職がない?
「イリスは最初から大剣豪だったってこと?」
「そうよ。何を言ってるのかしら。一人にジョブは一つだけ」
「ランクアップはしないのか?」
「生まれ持ったジョブは変わらないわ」
疑念が確実性を帯びてきた。この世界、何故か転職の鏡がないらしい。
「よし、最初に行く場所を決めた。転職の祠だ」
転職の祠。そこには転職に必要な転職の鏡がある。
王都から東に行ったタイガの森の奥にその祠がある。
魔王領は北方だという。少しばかり遠回りになるが転職の鏡はなんとしても手に入れたい。俺だって転職して勇者から大勇者、大勇者から大英雄になりたいものだ。
俺の冒険は今から始まる!
さぁ、存分に楽しもう!
※作者より
『異世界カウントダウン』の第一話をお読みくださりありがとうございます。
フォローやレビュー★を貰えると、とても更新の励みになります。これからも更新頑張りますので、応援よろしくお願いいたします。
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