清掃員クリア、解体して掃除する。

 ゴッドブレスのダンジョンアタックは流石の一言だった。


 昨日はいなかったメンバーを合わせて元々は六人構成のパーティだった。

 前衛には二人の男。昨日見た優男とゴリラ男の二人で、両方ともにタンクらしい。優男が回避タンクでゴリラ男は盾タンクだった。上手に敵のヘイトを分散、交代させながら敵の攻撃を一切背後へ漏らさない。

 中衛にはリーダーのマックさんが陣取って盾の隙間から強烈な一撃でモンスターを屠っていく。

 後衛は昨日は見なかったエルフの弓使いと、オレのスキルを見破ったウーピーとかいう女、それに新人のトーイがいて遠距離攻撃を加えている。

 どうやらトーイは魔法系のスキルを授かったらしい。電撃を飛ばしている。ダメージ自体はそこまでではなさそうだが麻痺の効果が付与されているようで魔法を受けた敵は動きを止める。

 最後列には目があるのかないのかわからない女の神官と、ポーターのオレがいる。


 元々のメンバー六名と、新人のトーイと、ポーターのオレ。

 合計七名、プラスオレだ。流石にまだ自分をメンバーだなんて言えねえ。何もしてねえから。

 オレの役目は敵が殲滅されてからだ。


「えーっと……ポーターの……」


「クリアっす」


「ああ、そうだ。回収を迅速に」


「はいっす」


 ほれキタ。

 オレの出番だ。


 腰のナイフを逆手に構えて、地面に転がってるモンスターを捌いていく。

 ざっと数えて十数体のプルガウルフだ。

 コイツらで高価なのは火を吹くための内燃機関とその動力炉の魔石。

 腹を捌いてそこを素早く取り出す。魔石と内燃機関のパスを傷つけると鮮度が落ちるから傷つけないように解体する。

 火を吹くコイツらの腹の中はまだ燃えるように熱い。

 でも慣れてる。

 やけどしないように魔力で手をコーティングする。


 それを転がっている死体分繰り返す。


「マックさん、コイツらの貴重な部分は採取しましたけど、肉や骨はどうしますか?」


「あ、ああ。不要だ。捨てておくと良い」


「じゃあ、掃除しときます。このまま置いとくとゾンビウルフになるんで。あいつら旨みもない癖にプルガウルフより強くなるんで」


「私たちにはゾンビウルフ程度たやすいけどね。まあ好きにすればいい」


「あざっす」


 オレは得たばかりのパワーウォッシュを発動した。

 背中にタンク。

 手にはそれに繋がった噴射機の口が現れる。


 昨日、教会に帰ってからなんかの役に立つかもしれねえと思ってとりあえず試してみたらこんなだった。

 本能的に使い方はわかった。

 この噴射機から噴き出す水で掃除ができるらしい。

 試しに教会の壁を掃除してみたら、やった部分だけピカピカになってた。

 こりゃあ十年間掃除ばっかりしてきたオレにはお似合いのスキルなのかも知んねえ。


 噴き出す形はオレの思った通りに変わる。


 今回は床の掃除だから床幅くらいに広がるように調整してっと。


「パワーウォッシュ!」


 オレの声に呼応して吹き出した水が全てを浄化する。

 プルガウルフの死体も血も溢れた臓物も。

 水が全てを分解する。


 あっという間に全てを消し去って。

 ダンジョンは元の姿を取り戻した。


 これがあれば冒険者ギルドでの雑用ももっと楽だったのに、なんて思うけどよ、そんなんいくら悔やんでも「逃げた女の恋心」ってやつで何も変わんねえんだよな。


 オレの魔力でできた水はすぐに蒸発して床にも残らないらしく。

 元のゴツゴツしたダンジョンの床をサッと確認してからマックさんに報告をする。


「終わったっす」


「ああ」


 そう答えるマックさんの顔からはこの行動が評価されたのかはよくわかんねえな。

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