君と過ごした7日間へ

ほわいともか

第1話









「ごめんね、こんなことになって」



ベットの上に横たわった僕の恋人



萩原百合



は静かに謝罪の言葉をこぼした。




「なんで謝るの?」




僕は静かに、彼女の言葉に返した。





「私のせいで唯斗まで面倒な目に遭っちゃった」



「面倒な目、?」



「白血病なんていう難病に…私が侵されちゃうから、…」






そう言って、彼女は静かに笑った。






「それに…、余命一週間なんてね、」


「そんなに侵されてるっていう感覚はなかったのに。」




「人って儚いね、」





そう言い、もう一度笑った。





「……、」



「ねぇ百合、」



「どうしたの?」



「……僕が、残りの一週間、」







「最幸にしてあげるよ、」



「え…、?」



「最もに…幸せって書いて……最幸」


「中々うまいでしょ、?」




そう言って僕も笑う。




「ふふっ、……うん、」



「じゃあ…約束ね、」




目の前の彼女が、静かに小指を差し出す。




「うん、」


「約束、…」




僕は彼女の小指に、自分の小指を絡ませて…、



笑った。





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