ステータス計測

 手をかざすと魔法球は青い光を放ちだし、光が治まると文字が魔法球の中に浮かび上がる。


『な、なんですか……これは』


 対応してくれている冒険者ギルドのお姉さんが数値を見て度肝を抜かれていた。


【名前】カネダ·コウイチ

【年齢】0歳

【性別】女

【種族】ドラゴン

【状態】健康

【レベル】65

【ステータス】

 ·体力  980

 ·力   1180

 ·防御  990

 ·器用さ 65

 ·素早さ 88

 ·魔力  790

 ·精神力 83

 ·幸運  90

【スキル】

 ·水泳(熟練度2)·手刀(熟練度3)·夜目(熟練度5)

 ·ライト(熟練度1)·火炎放射(熟練度2)

 ·ウイングシールド(熟練度1)

 ·投擲(熟練度1)·聞き耳(熟練度1)·目星(熟練度1)

 ·咆哮(熟練度1)·踏み込み(熟練度1)

 ·浮遊(熟練度8)·飛行(熟練度8)

 ·両利き(熟練度1)

 ·並列思考(熟練度1)·高速思考(熟練度1)

 ·皮膚の硬化(熟練度1)

 ·魔力操作(熟練度3)

 ·土魔法(聖級 熟練度7)

 ·水魔法(上級 熟練度5)

 ·回復魔法(上級 熟練度2)

 ·病気耐性(上)·麻痺耐性(上)·毒耐性(上)·状態異常耐性(上)·寒冷耐性(上)·熱耐性(上)

 ·体力成長増加(中)·力成長増加(中)·防御成長増加(中)·器用さ成長増加(中)·素早さ成長増加(中)·魔力成長増加(中)

 ·スキルポイント増加(中)

 ·異世界語(翻訳)(執筆)(発声)


 お姉さんは俺が出た数値を見たあとに


『故障かな?』


 と呟き、お姉さんが手をかざしてみる。


【名前】サード·リーフィア

【年齢】17歳

【性別】女

【種族】人族

【状態】健康

【レベル】6

【ステータス】

 ·体力  10

 ·力   8

 ·防御  8

 ·器用さ 28

 ·素早さ 6

 ·魔力  5

 ·精神力 50

 ·幸運  65

【スキル】

 ·速筆·速読·暗算


 と出ていた。


『あの……皆さん実は凄い力持ちだったり?』


『一応こういう事はできますが』


 俺は魔法で石を生成するとお姉さんに石を渡す。


『石ですね……硬い』


 石を返してもららい、ぐっと力を込めるとバスンと破裂音がして石が砂となって床に落ちた。


『分かりました! 魔法球が正常なのは分かりました! 心臓に悪いのでやめてください』


『あ、すみません』


 いやもしかしたらこの人だけかもとお姉さんは呟いていたが、俺達の数値がだいたい体力、力、防御、魔力が500を超えているのを見てカタカタと震えだしながらも書かれているのを紙に書き起こしてくれた。


『あの……もし数値がやばいのならば飛び抜けているの10分の1の数値にしてもいいですよ』


『ステータスの数値を偽造するのは重罪なんですよ……皆さんが正しく測定できているとわかった以上これを書かないとダメなんです』


 お姉さんは涙目になりながら紙に数値やスキルを書き、紙を受け取った人から受付に戻るように言われた。


 俺は受付のお姉さんに紙を見せるとお姉さんも目ん玉が飛び出るくらい驚き、横に座っていたお姉さん達も魔法球の故障を疑ったが、石砕きのパフォーマンスを見せると黙ってしまった。


『ちょ、ちょっと待ってくださいね……ギルド長を呼びます』


 お姉さん達は慌ててギルド長を呼びに行くと少しすると白髪混じりのダンディなおじさんが出てきた。


『ピーピー騒ぐな。受付をしている以上化け物みたいなステータスの人が来ることもあるだろう』


『し、しかし飛び抜けていても100の数値を超えているのが稀の中で1000超えは……』


『はぁ……わかった俺が対応する。悪いな……えっとカネダ·コウイチさん』


『カネで良いですよ』


『そうか……じゃあカネ。連れのメンバーも似たようなステータスなのか?』


『ええ、俺達の種族はこれが一般的で……』


『悪いが人類のステータスから逸脱しているから驚いた。姉ちゃん達から聞いたが魔法実験の失敗で異国から迷宮に転移し、自力で深部から這い上がってきたらしいが……証拠になり得るものはあるか?』


『ちょっと待ってください……これとかどうですか?』


 ポケットから俺は機械人形とゴーレムの魔石を机にゴロゴロっと置いた。


『……キッチーナが言っていた竜人はお前らか……まぁだろうなとは思ったが……こっちのゴーレムの魔石1つで5万G、機械人形だったか? そいつは15万Gの値が付くだろう。オークションで売り出せばもっとになるがギルドでの買取はその値段だ』


『キッチーナから言われたんですが、宿1泊10から50程度として……この魔石を売れば仲間31人とどれぐらい生活できますかね』


『上級の冒険者はだいたい1日100G支払う。宿代50G、食事や酒、装具の手入れ、娯楽などで50G。だから1カ月3000G、お前さんが置いた魔石が15万のが2つ、5万のが8つで70万G豪遊でもしない限り約19年は生活することができる大金だ』


『なるほど……俺の仲間もこれと同じくらいの魔石やミスリルの武器を持っているんだが売るとどうなる?』


『ミスリルの武器だと……ああ確かに武器を背負ってる奴も居たな……そうかミスリルの武器か……ナイフでも100万Gは硬いな……魔道具だった場合は青天井だ。こっちで買い取ることはできねぇ。オークションで売ってくれ』


『わかった。グループの代表者が居るんだが5人くらいで個別に話すことはできないか?』


『わかった。本来はそんな事をしないが、事情が事情だ。俺の他にサブギルド長も交えての話し合いをしよう』


 ギルド長はお姉さん達に冒険者のカードの発行はしろと言い、俺達の身分証となるカードが作られた。


 マイナンバーカードみたいな大きさのカードに名前、スキル以外のステータス、発行したギルド……バーガータウンのギルドで発行した事や市民権の有無……まだ税金を支払ってないので今回は無と書かれ、金属のプレートが渡された。


 材質は銅の合金っぽい。


 聞くと国ごとに材質が変わり、バーガータウンのある王国では銅の比重が多いプレートが使われているのだとか。


 受付のお姉さん達は魔法は使えない様なのでプレートに文字を刻む魔道具があるらしい。


 前田先生や委員長達もステータスの測定が終わったらしく、プレートを作ってもらった後に俺が5人くらい代表者を集めてギルド長やサブギルド長と話し合いの場を設けてもらった事を話すと


「では大人の私と委員長の前園君、場をセッティングしてくれた金田君の他に連れていきたい人はいますか?」


「女子のリーダー格の和田さんと異世界知識が豊富な鈴木君(オタク)を連れていきましょう」


 と委員長が提案し、和田さんとオタクも了承したのでセッティングが終わり次第別の部屋に行くことになった。


 委員長に武器類は買取拒否された事、魔石類やバロメッツの毛は恐らく売れるので後で纏めて売却して当面の活動資金にした方が良いと言うことを話す。


 クラスのメンバーはステータスやスキルの書かれた紙を見せ合いっこしながらステータスを比べていた。


『受付のお姉さん、ここで何か飲んだり食べたりすることは可能ですか?』


『冒険者ギルドは居酒屋ではないので食事は取り扱ってないですが、持ち寄った物を食べたりする分には何も言いませんよ。テーブルとかは好きにお使いください』


『できれば我々ここの常識が疎いのでそういうのを説明してくれると助かるのですが……これでどうです?』


 俺はケットシーが落とした魔石を渡す。


『ちょっと質は落ちると思いますが勉強代としてどうですか?』


 そう言うと一番若そうなお姉さん……いや前の世界の俺達よりも若い少女が出てきた。


『見習いで、まだ受付嬢として戦力じゃないので、この子だったら話し相手で拘束しても大丈夫ですよ』


 と言われた。


『見習いさん、お名前は?』


『マリーです。竜人のお姉さん』


『ちょっと色々教えてくれるかな?』


『はい! できる限り頑張ります!』


 委員長がプレートを終わったメンバーで野村と佐々木に売れる物を纏めておいてほしいことと、ここの常識に疎い俺達に見習いのマリーちゃんが色々教えてくれるから聞きたいことがあったらマリーちゃんに聞くように言うと、ギルド長が準備ができたらしく、俺達を2階層の部屋に連れて行くのだった。

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