あなたと結婚なんてお断りです。

桜 花音

第1話

「あなたとの結婚なんてありえない! 今すぐ森に帰らせて」

「国中に知れ渡っているのに、そんなことできるわけないだろう?」

「いいえっ。ぜーったいに嫌なんだから!」

「ちょ……待たんか!」

「待ちません!」


 王子の言葉を無視して、私は部屋から飛び出した。


 ──信じられない!

 本当に、本当に信じられない。

 なんで見ず知らずの男といきなり結婚することになっているのよ。

 王子様? そんなの知った事か。

 私は別にきらびやかな世界になんて興味ない。

 大切な人たちに囲まれて、穏やかに暮らせればそれでいいんだもん。


 それもこれも……嫉妬深いあの継母のせいだ。


「あんの……くそばばぁーーーーーっ!」

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る