第3話 スタンプ応酬
その日の晩にすぐ上田から『お疲れ様』スタンプが来たので『お疲れ様』スタンプを返す。それだけ。会話は無い。なんなんだ。
それからもスタンプの応酬が続いた。毎日ではない。なんかふと思い出した時に送られてくるのでこちらもそれに返すだけだ。上田のスタンプは中々面白いスタンプなのでこちらも負けじと面白いスタンプを返すだけ。でもこれが送られてくるのが段々と楽しみになっていった。
勉強に部活にバイトと遊びと忙しい日々を過ごしていたらあっと言う間に夏休みになっていた。
『ねぇ』というスタンプが上田から届く。
『なんじゃい』というスタンプを返す。
『ねぇ』とまた上田から
『?』というスタンプを返す。
『あのさ』というスタンプが来た。
『うんうん』というスタンプで返す。
『何してんの?』というスタンプが来る。
『ひま~』とキャラがダラ~っとしているスタンプを返す。
「夏休み何してんの?」
初めて文章が来た!ビックリした!
「部活、バイト、課題、ほんでもって遊び!上田は?」
「バイトいいなぁ こっちは部活に勉強だよ」
「さすが!進学校!」
『頑張れ!』スタンプを一緒に送る。
それからは文章でLIMEをする事が増えた。とはいえやりとりの最初は『何してんの?』スタンプ応酬からスタート。
文章になった途端に頻度も増えたように思える。まぁ、こちらも現役
ある日、帰宅途中でもう暗くなっていたのだが、向こう側から男性が二人自転車で走って来た。遊歩道なので車の心配もなく、自分が左側、相手は右側ですれ違う流れだ。
すれ違う瞬間!1mも無い距離で男性が右腕を横にまっすぐ拳を握って伸ばしてきた!
(ラリアート?!)
思わず頭を下げる!スレスレを通る男性の腕!
あぶなかった!振り返るもその男性達は笑いながら走り去っていった。自分の運動神経の良さに関心した。
その夜、上田からたまたまLIMEが来たのでこの自分の運動神経の良さを感じたこの感動をお伝えしてあげた。
ものすごく驚いていた。うんうん、凄いだろ?そのついでに通学路での面白エピソードを披露してあげた。
朝なのに陰部を出して女子高校生に見せつける男性
「今だ!」
と遊歩道の両端から二人飛び出してきて寝っ転がるり自転車でその間を通らせ
「見えたか?」
「見えたか?」
とパンツを見ようとしていた中学生。轢いてしまえば良かったと笑い話として話す。
上田の通う学校までは遊歩道は無いので、上田の驚きの反応は良く、私は驚かす事ができたという達成感で満たされた。
最後に
「でも上田に追われた時が
というのは忘れずにLIMEで打っておいた。
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