全力ペダル!~追われる事から始まる恋の話~【全8話】【毎日更新】【カクヨムコン10短編参加!★♡お願いします┏○)) 】

Minc@Lv50の異世界転生🐎

第1話 追われる…

ジャッ!シャッ!ジャッ!シャッ!

 自転車のチェーンの音が私の心臓の音と一緒に速度を上げている。でも同じような速度で後ろにも自転車の漕いでいる音がする…


         ※


 私は山田涼子、高校一年生。今日は土曜日、部活のために毎朝通う高校まで片道9kmを自転車で向かっていた。5月中旬、五月晴れ!とっても気持ちのいい朝で鼻歌混じりで気持ちよく自転車を漕いでいた。


ジャァッ!シャッ!シャァァァァッ!

 視界の後ろにちょっと大きい男性用の自転車の車輪が来た。でも抜かすというよりなんか距離より近い。ヤバミを感じた。


ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャァッ!

 振り向く事なく一気に足に力を込めて加速した。一瞬引き離した。


ジャッ!ジャッ!ジャッ!ジャァッ!

 ホッとしたのは一瞬で同じような速度で後ろの自転車も追ってくる。


(ヤバイ!ヤバイ!コワイ!制服じゃなくてジャージにすれば良かった!)


ジャッ!ジャァッ!ジャッ!ジャッ!

 もっと加速する。すると同じように

ジャッ!ジャァッ!ジャッ!ジャッ!

 後ろの自転車も加速してきた。


 昔の廃線路を利用した遊歩道を走っていたのだが、道路を突っ切る横断歩道を渡ってまっすぐ行く!かのように見せかけてぇの!!

シャァァァァッ!ジャッ!

 直前右折!!


 キュッ!ジャッ!

 後ろの自転車、慌ててブレーキして同じように右折!ついてくる。


 確実に追ってきている!もう怖くて後ろが見れない!というより自転車を漕ぐのに必死で後ろを振り向いている暇も無い!!


 さすがに疲れて来た…息も切れて来た…自然とスピートが落ちる…


ジャッ!ジャッ!ジャッ!シャーッ!

 男が横に来た!!


「や、山田…は、早いって…」


(えっ?!)


「う、上田?!」


キキィッ!

 自転車をすぐ横にあった開店前のお店の前に停車してすぐ降りる。上田と呼ばれた男もそれに倣って自転車を止めて降りた。


「もぉっ!マジで怖かったんですけど?!何ですぐ声かけてくれないの?!」

 上田の胸の上の辺りを殴りながら言うと

「山田に似てるなぁ?って確認のために近づいて行ったらさ、いきなり加速してっちゃうからさ、慌てて追いかけたんだけどさ、早ぇぇなぁ!」


「いや、ほんとに怖かったんだよ。めっちゃ心臓バクバクいってるからね?!」

 上田の手を取って鎖骨と胸の間のデコルテに当てる。

(あれ、意外に手がでかい)

 上田を見ようとしたらそこに顔はなく、見上げる形になる事にビックリする。

「ばっ!!」

 上田の顔が真っ赤になる。


(えぇ!前は同じくらいの高さだったのに!身長伸びてる!!)


「うわぁ!!上田が女の胸触ってるぅ!」

「胸触ってねぇで急がねぇと間に合わないぞ!」

 後ろを上田と同じジャージ姿の男子高校生が通って行った。


「違うわ!!すぐ行く!」

 上田は真っ赤になりながら私の手を振りほどいた。


「携帯持ってる?連絡先交換しよ」

 上田は携帯を出したので私も携帯を出してLIMEのIDを交換して颯爽と上田は去って行った。彼のジャージの背中には『K高校籠球部』と書かれていた。


 こうして中学卒業して2カ月で上田と繋がった。







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