第35話 家族として生きる決意
それでも、あゆみはこの家族と一緒に生きていきたいと思う自分がいることに気づいていた。
夜、子どもたちが寝静まったリビングで、彼女はすばるに話しかけた。
「すばるさん、少しお話ししたいんです。」
その真剣な声に、すばるは彼女を見つめた。
「そんなに改まって、何かあったのか?」
「いえ……ただ、私の気持ちを伝えたいと思って。」
彼女は深く息を吸い、言葉を紡ぎ始めた。
「この数ヶ月、何度も家を出ていこうと思いました。私は子どもたちを大切だと思う反面、邪魔だと感じてしまうこともあって……自分が家族にふさわしくないと思っていました。」
すばるは静かに彼女の言葉を待った。
「でも、それでも私は、この家族と一緒にいたい。すばるさんと子どもたちと、一緒に生きていきたいんです。」
彼女は涙をこぼしながら、はっきりと言った。
すばるはしばらくの間、彼女を見つめていたが、やがて静かに微笑んだ。
「ありがとう。君がそう思ってくれて、本当に嬉しいよ。」
そう言って、彼はあゆみの手をそっと握った。
「僕も、君と一緒に家族として歩んでいきたい。だから、これからもよろしくお願いします。」
その言葉に、あゆみは涙を流しながら「ありがとうございます」と小さく呟いた。
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