第5話 初めての訪問

「よかったら、うちの子どもたちと会ってくれないか。」


すばるからそう言われたとき、あゆみは一瞬答えることができなかった。


「私に何ができるんだろう。」


彼の真剣な眼差しに押され、あゆみは星宮家を訪れることを決意した。


「こんにちは。」


玄関のドアが開き、れんがじっと彼女を見上げる。少し警戒するようなその目を前に、あゆみは自然な笑顔を作ることができなかった。


「お姉ちゃん、誰?」とりおが言い、すばるが「如月さんだよ。一緒に遊んでくれるよ」と紹介する。


その日、あゆみは子どもたちと数時間を共にした。


りおはすぐに懐き、「あゆみちゃん、これやろう!」と無邪気に誘ってきた。


れんは少し距離を置きながらも、あゆみの様子を伺っていた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る