第17話 副将軍辞任 修正版

 23年に発表した「政宗が秀吉を殺していたら」の修正版です。実はPCの操作ミスで編集作業ができなくなり、新しいページで再開したものです。表現や文言を一部修正しております。もう一度読み直していただければと思います。


空想時代小説


 年があけて1618年、3代将軍家光(13才)の将軍宣下の式が京都伏見城で行われた。蟄居している秀忠も前将軍として参列しているが、覇気はない。政宗(51才)も副将軍として最上位に位置している。京都守護職の秀宗(27才)も政宗の近くに座している。

 宣下の式が終わって、家光は政宗を呼んだ。政宗には嫡子の忠宗(18才)が従っている。将軍への顔見せである。

「上様、この度はおめでとうございます」

「なんの、これも全て政宗殿のおかげじゃ。礼を申す」

「もったいないお言葉。恐悦至極に存じます。上様は、大御所に似ていらっしゃる。ぜひ、大御所さまのまつり事を学ばれるとよいと思います。

「うむ、わしもじじのまつり事が好きじゃ。正直、父はせこかった。母にも弱かったしな」

「そんなことはありませぬ。ただ、先が見えなかっただけのこと」

「先を見るとは?」

「それは日の本の平安でございます。大御所さまとわたしめの大きな約束は、すべてそのためでございました」

「不可侵同盟だな」

「そうでございます。戦があれば民が困ります。民が困れば、我ら武士も困りまする。平安であれば、皆が豊かになり、我ら武士もまつり事がやりやすくなります」

「であるな。父はそのことが見えていなかったのだな。わしはじじを見習って不可侵同盟を守ろうぞ」

「ありがたく存じます。これで日の本の平安が守られます。ところで、今回、上様にひとつお願いがありまする」

「願いとは、何なのだ?」

「実は、隠居いたしたく、副将軍を辞任したいと思っております」

「なに、隠居とな! まだ、そんな年ではないだろうに。政宗殿には副将軍として助けてもらわねばならぬ」

「いえいえ、わたしめも年でござる。信長公の50才を越えてしまいました。大御所さまが長生きだったのです。副将軍には、この忠宗を命じてくだされ。若い者同士、話が合うでしょう。わたしめのようなじじいがでる幕ではないのです」

「うーん、勿体ない話だ。お主を頼りにしていたのだが・・」

「実は、わたしめにはしてみたいことがあります」

「何なのだ?」

「実は、異国へ行ってみたいのです」

「異国とな?」

「まずはルソンへ。先の戦でルソンから多くの水夫を連れてまいりました。その者たちを帰国させなければなりませぬ」

「そうか、異国か。派手なことが好きな政宗殿らしい。わかった。隠居を認めよう。忠宗殿、副将軍のつとめよろしく頼むぞ」

「ははっ!」

 忠宗は、年下とはいえ既に威厳を漂わせている家光に恐縮していた。

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